
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。
「JPYCを買っておけば安定して増える」と持ちかけられ、jpyxnr.jpというサイトへ振り込んだ。ところが、いま開いても画面は真っ白のまま。
そうした状況に置かれると、相手が誰なのかを確かめる糸口すら失われたように感じられます。
JPYC自体は、日本で正式に発行されている円建てのステーブルコインです。名前を知っていた方ほど、かえって疑いにくかったのではないでしょうか。
当事務所が2026年8月23日にjpyxnr.jpを取得したところ、ページの中身は描画されませんでした。
一方、ページの名称には「JPYCオンライン貯蓄銀行」という文字列が設定されています。実在するJPYC株式会社は銀行ではなく、資金移動業者です。
この一点だけでも、JPYCを騙る投資勧誘には詐欺の疑いがあると当事務所は考えております。
本記事ではサイトの表示とドメインの登録内容から確かめられた事実を示したうえで、返金の見通しと、いま手元に残すべきものを順にご説明します。
- 「JPYCオンライン貯蓄銀行」を名乗るが、JPYCは銀行ではない
- 運営会社・所在地・連絡先・利用規約のいずれも表示されていない
- ドメインの登録は2026年7月20日で、運用期間は約34日にとどまる
- 振込で送金していた場合は、国内の金融機関に記録が残っている
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JPYC(jpyc.co.jp)とは|実在するのは資金移動業者が発行する日本円ステーブルコイン
はじめに、実在するJPYCがどのようなものかを整理しておきます。
JPYCは、JPYC株式会社(東京都千代田区)が発行する日本円建てのステーブルコインです。1JPYCが1円と交換できるよう設計されています。
JPYC株式会社は金融庁の登録を受けた事業者であり、会社もトークンも実在します。
本件で問題となっているjpyxnr.jpとは別個のものです。この章では、実在の側の説明に徹します。
JPYC株式会社の登録と発行・償還の正規の流れ
JPYC株式会社は2025年8月18日付で、資金決済に関する法律にもとづく資金移動業者として登録されました。
登録番号は関東財務局長 第00099号、種別は第二種です。トークンとしてのJPYCの発行が始まったのは、2025年10月27日でした。
発行と償還は「JPYC EX」というサイトを通じて行われます。日本円を銀行振込で入金すると、同額のJPYCが登録済みのウォレットへ発行される仕組みです。
償還を申し込んだ場合は、あらかじめ登録した銀行口座へ日本円が振り込まれます。担当者が個別に振込先を指定する流れではありません。
JPYC株式会社が公式サイトで出している注意喚起
JPYC株式会社は2025年10月28日、偽のトークンや偽のSNSアカウントについて注意喚起を公表しました。
そこでの求めは、JPYCを受け取るときにトークンの外見で判断せず、チェーン上に記録されたコントラクトアドレスを照合してほしいというものです。
あわせて、同社と代表者本人が、LINEのグループやDiscordといった外部のコミュニティへ利用者を誘うことは一切ないと明記されています。

公式のものとして同社が挙げているアカウントは、X(旧Twitter)の@jpyc_officialなど数点だけです。

ここに載っていないアカウントからJPYCの案内が届いたのであれば、同社の発信ではない可能性を疑ってよいでしょう。
正規のドメインと jpyxnr.jp の違い
JPYCに関する公式の窓口は、次のドメインに置かれています。
| 発行・償還(JPYC EX) | jpyc.co.jp |
|---|---|
| コーポレートサイト・お知らせ | corporate.jpyc.co.jp |
| JPYC Prepaid | jpyc.jp |
| 本件で案内されたサイト | jpyxnr.jp |
jpyxnr.jpは、いずれの正規ドメインとも一致しません。文字列としても、jpycではなくjpyxnrです。
なお、株式会社JPYX(jpyx.co.jp)という別会社や、海外業者が用いる通貨指数「JPYX」も存在します。これらも本件とは無関係です。
JPYC株式会社が発行するJPYCそのものや、同社のサービスに問題があるという趣旨ではありません。
JPYCを騙るjpyxnr.jpで詐欺が疑われる理由
ここからは、jpyxnr.jpというサイトそのものの表示から確認できた事実を扱います。
本章の記述は、当事務所が2026年8月23日に確認した表示にもとづくものです。第三者の記事や伝聞には依拠していません。
名称・運営者表示・内部の記述という3つの層すべてに、投資サービスとして説明のつきにくい点が残っています。
以下、順に見ていきましょう。
サイトの名称は「JPYCオンライン貯蓄銀行」——JPYCは銀行ではない
ブラウザでjpyxnr.jpを開くと、本文は描画されないまま、タブにだけ「JPYCオンライン貯蓄銀行」と出ます。

掲載した3点の画像は、いずれも2026年8月23日に当事務所が保存したものです。加工は行っていません。
問題は、この名称が実在のJPYC株式会社の業態と食い違う点にあります。同社は資金移動業者であって、銀行ではありません。
| 銀行法4条1項 | 銀行業を営むには内閣総理大臣の免許が必要 |
|---|---|
| 同法6条2項 | 銀行でない者は名称や商号に銀行を示す文字を使えない |
つまり、「貯蓄銀行」を名乗ること自体が、法律上は許されていない行為にあたります。
当事務所が金融庁の一覧を確認した限り、「JPYCオンライン貯蓄銀行」という名称の免許先や登録先は見当たりません。
運営会社・所在地・代表者・連絡先のいずれも表示がない
資金の預け入れを扱うサイトなら、運営する会社の名称・住所・代表者・問い合わせ窓口が明記されているはずです。
ところがjpyxnr.jpでは、次の項目がどれも見当たりません。
- 運営会社の商号
- 所在地および代表者名
- 問い合わせ先
- 利用規約・手数料・出金の条件
- 利用者資産の分別管理の方法
トラブルが起きたとき、誰に何を求めればよいのかを判断する材料が置かれていない状態です。
正規のJPYC EXでは、発行と償還の手順や条件が公開されています。この差は小さくありません。
ページの内部に別のサービス名が残っている
jpyxnr.jpは、JavaScriptで画面を組み立てる作りになっています。そのため、機能が無効な環境では代わりの文言が表示されます。
当事務所が取得したページでは、その文言のなかに「usdt」というアプリケーション名が英文のまま残存していたのです。
USDTは、日本円ではなく米ドルに連動する別のステーブルコインの略称として広く使われている表記です。
| 画面上の表示名 | JPYCオンライン貯蓄銀行 |
|---|---|
| 内部のアプリケーション名 | usdt |
| ドメイン | jpyxnr.jp |
三つの名称が、互いにまったく一致していません。
自社で設計し、自社で運営しているサービスであれば、こうした食い違いは生じにくいものです。
SNS・メッセージアプリからの勧誘と公的機関が公表している被害の流れ
jpyxnr.jpをめぐっては、SNSやメッセージアプリでのやり取りから案内された、という経緯が伝えられています。
以下に挙げるのは、jpyxnr.jpを名指しした公表ではなく、一般に向けて出されている注意喚起です。
- 警察庁「SNS型投資詐欺」
- 国民生活センター「著名人を名乗る勧誘への注意」
前者は面識のない相手から投資をすすめられ、指定口座へ振り込ませる流れを類型として示したもの、後者は実在する人物や企業の名を用いた勧誘への呼びかけにあたります。
いずれも当事務所がjpyxnr.jpとの関係を確認したものではなく、特定の業者に限った話でもありません。手口の型として重なる部分がある、という範囲でお読みください。
ここまでの3点は、当事務所がサイトの表示から確かめた事実です。ご自身が受けた案内と重なる部分があるかもしれません。
【独自調査】jpyxnr.jpのドメイン登録と公的な登録の確認
サイトの表示から運営者を追えない以上、次に確かめるべきはドメインの登録記録です。
当事務所は2026年8月23日を基準日として、jpyxnr.jpの登録情報を取得しました。結果は以下のとおりです。
| ドメイン名 | jpyxnr.jp |
|---|---|
| 登録日 | 2026年7月20日 |
| 更新日 | 2026年7月20日 |
| 運用期間 | 約34日(基準日:2026年8月23日) |
| レジストラ | 表示なし(公開情報から特定できず) |
| 登録者 | 表示なし(公開情報から特定できず) |
| ネームサーバー | ns43.domaincontrol.com / ns44.domaincontrol.com |
| ステータス | Active(移管ロックは無効) |
返金請求ではいつ、誰の、どの口座へ送金したのかを特定できるかどうかが結果を左右します。
運営主体を公開情報から追えない場合、請求すべき相手方の確定が最初の作業になるためです。
ドメイン登録記録から分かること
登録日は2026年7月20日であり、基準日までの運用期間は約34日にとどまります。
更新日も同じ2026年7月20日でした。登録された日以降、記録の上では情報が一度も書き換えられていないことになります。
ネームサーバーは、外部の事業者が広く提供している汎用のものが指定されていました。
移管ロックは無効、ステータスはActiveでした。長く運営されてきた実績を読み取れる材料は、この記録の中にありません。
金融商品取引業の登録とライセンス番号の確認
日本国内の居住者に対して投資を勧誘するのであれば、事業者の所在地を問わず、金融商品取引法の登録が必要になります。
この点について照合した結果は、以下のとおりです。
| 金融庁 登録業者一覧 | 該当なし |
|---|---|
| 金融庁 無登録業者一覧(令和8年7月22日更新) | 該当なし |
| サイト上のライセンス番号の掲示 | 確認できず |
ただし、一覧に載っていないことは適法であることを意味しません。登録の有無と、詐欺にあたるかどうかは別の問題として切り分ける必要があります。
掲示がないという事実は、事業者を特定する手がかりが一つも置かれていない、という意味を持つにすぎません。
.jpドメインなのに登録者にたどり着けない
jpyxnr.jpが用いている「.jp」は日本のドメインで、管理団体であるJPRSは、登録できる対象を日本国内に住所を持つ組織・個人・団体に限ると案内しています。
国内に通知の届く場所を持つ誰かが登録したはずのドメインでありながら、レジストラも登録者も、公開されている情報の中には見当たりませんでした。
運営者を名指しできない以上、返金の実務では送金先の口座が最も確かな手がかりになります。次章以降の話に直結する点です。
jpyxnr.jpのケースで残しておきたい証拠
jpyxnr.jpは、現時点でも画面が描画されない状態が続いています。今後、ドメインごと消える可能性も否定できません。
そうなればサイト側の表示は取得できなくなります。手元の記録が、経緯を裏づける唯一の材料になるおそれがあります。
本件で特に価値が高いのは、次のものです。
- 振込明細(振込先の銀行名と支店、口座番号、名義、振込日、金額)
- 「JPYCオンライン貯蓄銀行」の画面や残高のスクリーンショット
- JPYCの購入や入金の手順を指示されたチャットの履歴
- 案内されたjpyxnr.jpのURLが残る閲覧履歴やメッセージ
- 勧誘してきた相手の表示名・アイコン画像・グループ名
退会や削除をすすめられていたとしても、これらは消さずに置いておいてください。
「JPYCを買う」という名目だったため、購入の手順を書いた案内文が手元に残っている方も少なくありません。
証拠が手元にあるうちに、公式LINEで状況をお聞かせください
返金の見通し|送金手段によって見通しが分かれます
取り戻せるかどうかを分けるのは、どの手段でお金を出したのかという点です。
jpyxnr.jpをめぐっては、日本円を銀行へ振り込む形で入金したという経緯が伝えられています。この場合、国内の金融機関に手がかりが残ります。
一方・JPYCなどのトークンをウォレット宛に送っていた場合・たどれる道筋は同じではありません。
銀行振込で送金していた場合
振込先の口座は、必ず誰かの名義で開設されています。弁護士には、弁護士会を経由して金融機関へ照会をかけ、回答を求める手続が用意されています。
相手の氏名も住所も分からない状態からでも、口座を入口として請求先をたどれる場合があるのです。
- 振込先口座の名義人
- 口座の開設店と取引の状況
- 資金が残っているかどうか
振り込め詐欺救済法には、詐欺に使われた口座を凍結し、残っていた資金を被害に遭った方へ配分する制度が置かれています。
ただし、この仕組みが実際に機能するのは、口座に資金が残っている場面に限られます。引き出された後では、配分を受けられません。
jpyxnr.jpのドメインは登録から約1か月です。送金先の口座も短い周期で入れ替えられている可能性があり、金融機関への連絡は早いほど有利に働きます。
JPYCなど暗号資産の形で送金していた場合
ウォレット宛にトークンを送っていた場合、口座を凍結するという手段そのものが使えません。銀行を経由していないためです。
送金先のアドレスは記録として残ります。そこから人物へたどり着くには、海外の交換業者の協力が欠かせません。
- 口座凍結の制度を利用できない
- 送金先の管理者が国外にいることが多い
- 記録は残るが、名義に結びつきにくい
当事務所では暗号資産による送金のみのご相談については、回収の見込みが立ちにくいため、お力になれない場合がございます。
もっとも本件で伝えられているのは、日本円を銀行へ振り込んだうえでJPYCの購入を装われたという経緯です。振込の部分が残っていれば、そこを対象としてご相談を承ります。
被害の回復が必ず約束されるわけではありませんが、時間が経つほど見込みは細っていきます。
返金をうたう業者にはご注意ください
被害に気づいた後、「取り戻せます」と持ちかけてくる連絡が入る場合があります。差出人がSNSのダイレクトメッセージや掲示板であることもあります。
本件のように運営者が不明なサイトでは、相手方の特定そのものに手間がかかるのが実情です。それにもかかわらず短期で全部取り戻せると請け合われたなら、いったん距離を置いてください。
- 調査費用や着手金だけを先に求めてくる
- 短期間で全部取り戻せると請け合う
- 事務所名や弁護士名を明かさない
弁護士法72条により、報酬を得る目的で返金の交渉を代理できるのは、原則として弁護士に限られています。
費用を先に求められた場合は、事務所名と弁護士名を必ず確かめてください。日本弁護士連合会が公開している検索ページから、実在する弁護士かどうかを照会できます。
費用や進め方については、実際に担当する弁護士へ直接おたずねください。
jpyxnr.jpに関するよくあるご質問
- サイト名に「JPYCオンライン貯蓄銀行」とありますが、JPYC株式会社の銀行サービスですか。
-
JPYC株式会社は資金移動業者として登録された会社であり、銀行ではありません。同社が「オンライン貯蓄銀行」という名称のサービスを提供している事実は確認できません。
銀行でない者が名称に銀行を示す文字を用いることは、銀行法6条2項が禁じています。
- jpyxnr.jpを開いても真っ白で何も表示されません。閉鎖されたということでしょうか。
-
断定はできません。2026年8月23日に当事務所が調べた時点では、ドメインは有効で、ページの本体も返ってきていました。
画面が描画されないだけで、サイトが消えたわけではない状態です。今後の推移は読めませんので、記録の保全はお早めに。
- LINEのグループでJPYCの担当者を名乗る人から案内されました。公式の案内ではないのですか。
-
同社は2025年10月28日付の注意喚起で、外部のチャットコミュニティへ利用者を勧誘することはないと明言しました。
公式アカウントとして挙げられているのはXの@jpyc_officialなど数点で、ほかの窓口は示されていません。
- 金融庁の無登録業者一覧にjpyxnr.jpは載っていませんでした。問題のないサイトということですか。
-
そうとは限りません。金融庁は、警告を発した時点で無登録の営業が確かめられた相手だけを掲載していると注記しています。
掲載がないことは、適法に運営されている裏づけにはなりません。登録の有無と詐欺かどうかは、別の問題です。
- 振り込んだのは日本円ですが、名目はJPYCの購入でした。暗号資産の被害として扱われますか。
-
ご自身が出したものが日本円の振込であれば、まず銀行振込の事案として検討します。
振込先の口座が残っている以上、弁護士会照会や口座凍結の申立てを検討できる余地があります。名目が何であったかとは切り分けてお考えください。
ご相談の流れ・費用について
投資詐欺の返金に関するご相談は、初回無料でお受けしています。公式LINEまたはお電話で、送金の時期・振込先・勧誘の経緯をお知らせください。
資料が断片的な状態でも大丈夫です。そのうえで、口座の状況と送金からの経過期間をもとに、どこまで回収を目指せるかの見立てをお伝えします。
- ご相談は初回無料(何度でも可)
- 着手金と報酬金の考え方を事前に書面で提示
- ご相談の段階では費用が発生しない
見込みが立ちにくい事案については、その旨を正直にお伝えし、無理にお引き受けすることはいたしません。
ご依頼をいただく場合の着手金と報酬金の考え方は、事前に書面でご確認いただく流れです。ご相談の段階で費用が生じることはありません。
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※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する成果を保証するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。



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