
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。
Instagramで流れてきた投資の広告からLINEに登録し、案内されたグループチャットで「先生」から銘柄の指導を受けている。そんな状況ではないでしょうか。
そのグループの主宰者として示されていたのが、早稲田大学の教授である伊藤秀史氏の氏名と肩書だった。当事務所には、そうしたご相談の形が届いています。
はじめにお伝えしておきます。実在する伊藤秀史氏ご本人が、今回のような投資の誘いかけや、グループチャットの運営に関わっていた事実は確認できていません。
当事務所が公開情報にあたったところ、同氏の専門は組織の経済学と契約理論であり、個別の銘柄を推奨する仕事に就いていた形跡はどこにもありません。
加えて、勧誘の柱となっている「IPOに当選した」という説明は、金融庁が公表資料のなかで繰り返し否定してきた内容と重なるものでした。
これらを踏まえ、伊藤秀史氏を名乗る投資勧誘には詐欺の疑いがあると、当事務所は考えております。
本記事では実在する同氏についての公開情報を整理したうえで、勧誘に疑いを持つ理由・当事務所の調査結果・残しておきたい証拠・返金の見通しを順にお伝えします。
- 伊藤秀史氏ご本人の関与は確認されていません
- 「IPO当選」の説明は金融庁が虚偽と指摘してきた類型と重なります
- 個人名義口座への送金では、名義人の特定が出発点になります
- 銀行振込なら口座凍結を検討できますが、残高がなければ配分は届きません
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伊藤秀史氏とは|公開情報から分かること
この見出しでは、実在する伊藤秀史氏について、大学や公的なデータベースが公開している情報だけを整理します。
後に述べる勧誘の話とは切り離してお読みください。氏名や肩書が使われていることと、その人物が関与していることは、まったく別の事柄です。
ご自身の目で確かめていただけるよう、参照先のURLもあわせて示しました。勧誘を受けている最中の方は、まず次の3か所を開いてみてください。
- 早稲田大学ビジネススクールの教員紹介ページ
- 早稲田大学の研究者データベース
- 研究者情報サイトresearchmapの登録内容
いずれも同氏本人または所属機関が管理している一次情報にあたります。第三者がつくったまとめサイトではありません。
早稲田大学が公開している経歴と所属
伊藤秀史(いとう ひでし)氏は、早稲田大学大学院経営管理研究科、いわゆる早稲田大学ビジネススクールの教授です。
一橋大学を卒業したのち、スタンフォード大学経営大学院の博士課程を修了しています。京都大学・大阪大学・一橋大学では教授を務めてきました。
カリフォルニア大学サンディエゴ校やコロンビア大学などで客員教員も歴任。日本経済学会の会長を務めたのは、2022年度から2023年度にかけてでした。
この経歴は、大学の公式サイトで誰でも無料で確認できます。勧誘の場で示された肩書と照らし合わせてみてください。
公表されている専門分野と研究業績
公式サイトに掲げられた専門は、組織の経済学と契約理論です。2003年には日本経済学会の中原賞を受けています。
研究の中身は企業のなかで意思決定の権限をどう配分するか、長く続く取引関係を契約がどう支えるか、といった理論分析が柱です。
当事務所が研究者データベースとresearchmapに載る業績を通覧したところ、個別の銘柄を推奨する業務や、新規公開株の配分に関わる業務についての記載は見当たりませんでした。
金融庁の登録を受けた金融商品取引業者として同氏の氏名が掲載されている事実も、確認できていません。大学に所属する研究者としての情報が公開されている、という状態です。
伊藤秀史氏を名乗る投資勧誘で詐欺が疑われる理由
ここからは、伊藤秀史氏を名乗る勧誘そのものを扱います。前の見出しで整理した実在の同氏とは、切り離してお読みください。
当事務所が確認できた範囲では、勧誘の流れに、投資として説明のつきにくい点が4つ重なっていました。
1つ当てはまるだけで詐欺と決まるものではありませんが、4つが同時に成り立つ投資は考えにくいところです。
いずれも、勧誘の場でご自身が受けた説明と突き合わせられる内容に絞りました。順にご覧ください。
実在する人物の氏名と肩書が無断で使われている
グループの主宰者として掲げられるのが、実在する大学教授の氏名と肩書である。この構図には、そもそも無理があります。
教授という職は、他人の資金について助言を行うための資格ではありません。大学の教員であることと、投資の指導を業として行ってよいこととは、制度のうえで何のつながりもありません。
国民生活センターも、著名人を名乗る、あるいは著名人とのつながりがあるとうたう勧誘について相談が急増したと公表しています。
肩書は、その場で確かめようのない場所で示されたときに、いちばん強く効きます。ご覧になったのが本人の公式な発信だったかどうか、思い返してみてください。
IPOの当選と違約金を口実に追加送金を求めている
本件で送金の名目となっているのが、新規公開株、いわゆるIPOの当選です。
「当選枠を確保した」「割安な株を買うために資金が要る」と説明され、口座の残高を超える金額を求められた例が確認されています。重なるのは、次のような言い方です。
- 当選した以上、買い取らねばならない
- 期日に間に合わなければ違約金がかかる
- 資金が足りないなら融資を使えばよい
ここに、制度としての無理があります。日本の新規公開株は証券会社を通じて配分されるもので、個人へ振り込ませて枠を押さえる仕組みは存在しません。
違約金という言葉も引っかかります。証券会社との間で購入の申込みをしていない相手に、そもそも発生する性質のものではないからです。
送金先が個人名義の口座になっている
投資資金の振込先として、個人の名義、あるいは勧誘の主体との関係が説明されない法人の口座が指定される点も見過ごせません。
登録を受けた金融商品取引業者であれば、顧客から預かった資金は自社名義の口座で受け入れ、自社の財産と分けて管理します。人名の口座が出てくる余地がありません。
消費者庁は、投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合について、振り込まないよう呼びかけています。
振込のたびに口座が変わった、名義が人名だった。この2点は、返金を求める場面でそのまま争点になります。
勧誘の導線が金融庁が示す手口の流れと一致している
SNSの広告からLINEへ、そこから参加者が限られたグループチャットへ。この道すじは、金融庁が注意喚起で示す流れとほぼ重なりました。
同庁の資料は偽の広告が本人の写真を無断で使う場面から、出金しようとすると手数料や税金の名目で入金を求められる場面まで、4つの段階に分けて説明しています。
ただし、この注意喚起は特定の相手を名指ししたものではなく、当事務所が伊藤秀史氏について確認した内容でもありません。手口の一般的な形として示されたものです。
| 参照した公的資料 | 内容 |
|---|---|
| 金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」 | 令和5年1月6日公表/令和7年4月17日更新 |
| 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」 | 令和8年5月22日公表 |
警察庁の確定値によると、令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺は認知件数が15,168件、被害額が1,834.3億円にのぼりました。こちらも、特定の勧誘を指した数字ではありません。
伊藤秀史氏を名乗る勧誘についての独自調査
本件では、運営者を名乗る会社名も、勧誘に使われたサイトのURLも示されていません。ドメインの登録情報をたどるという手段が使えない案件です。
そこで当事務所は、公開されている一次資料との突き合わせという形で調査しました。確認の経路は次の3つです。
- 金融商品取引業の登録の有無
- IPOの配分に関する金融庁の公表資料
- 実在する伊藤秀史氏の公開情報
返金請求では、誰にどの口座で送ったのかを特定できるかどうかが結果を大きく左右します。相手を公開情報から追えないなら、請求の相手方を確定させる作業から始めることになります。
以下は、いずれも2026年8月21日の時点で確認した内容です。
金融商品取引業の登録の確認
まず、金融庁が公表する2つの一覧にあたりました。登録を受けた事業者の一覧と、無登録で営業していたとして警告を受けた者の一覧です。
当事務所が確認できた範囲では、無登録業者として警告を受けた者の一覧に「伊藤秀史」の記載はありません。登録業者の一覧にも、同氏の氏名は見当たりませんでした。
ただし、一覧に載っていないことが、ただちに詐欺を意味するわけではありません。登録の有無と、詐欺にあたるかどうかは、切り分けて考える必要があります。
反対の向きも成り立ちます。金融庁自身、掲載のない者が無登録の営業を行っている場合もあると但し書きを添えているからです。
なお、日本に住む人を相手に投資の助言や取引を業として行うには、金融商品取引法にもとづく登録が要ります。海外に拠点があっても変わりません。
「IPOに当選した」という説明を金融庁の公表資料と照合する
本件でもっとも重い論点がここです。金融庁の無登録業者一覧には、備考欄に繰り返し現れる一文があります。
高速取引行為者と呼ばれる登録業者は新規公開株の配分に関与できない立場にあるのに、関与していると偽って説明していた、という趣旨の記載です。
- 配分に関与できない立場の登録業者である
- それでも関与していると説明していた
- 金融庁が虚偽の説明であると明記している
当事務所が令和7年10月から令和8年7月までの掲載分を通覧したところ、同じ趣旨の記載は11件に及びました。実在する金融機関の名をかたる事案が並びます。
IPOの当選枠を口実に送金を求める説明は、当局が繰り返し虚偽と指摘してきた類型そのものです。
もちろん、本件が名指しされているわけではありません。それでも、説明の型がここまで一致している以上、判断の材料として重く見てよいと当事務所は考えます。
実在する伊藤秀史氏の公開情報と勧誘内容を照合する
3つ目に、実在する同氏について公開されている情報と、勧誘の場で語られる姿とを突き合わせました。
| 項目 | 勧誘の場で語られる姿/公開情報から確認できる姿 |
|---|---|
| 役割 | 参加者に銘柄を指導する「先生」/経営学と経済学を教える大学教授 |
| 扱う対象 | IPO銘柄や割安株の売買/組織の経済学と契約理論の理論分析 |
| 金融庁の登録 | 言及なし/登録業者としての掲載は確認できず |
研究業績の中身は、企業の意思決定や契約の設計に関する理論であり、個別銘柄の推奨や新規公開株の配分に関わる業務は見当たりません。
助言を業として行うのであれば、投資助言・代理業の登録が必要になります。研究者として大学に籍を置いていることは、その登録の代わりになりません。
- 肩書が示されたのは勧誘の場のみ
- 研究業績に投資助言の記載なし
- 登録業者としての掲載も確認できず
語られている役割と、公開されている実像とが噛み合っていない。これが照合の結論です。
重ねて申し添えます。同氏ご本人に責任があるという話ではありません。氏名を使われた側もまた、被害を受けている立場にあります。
伊藤秀史氏を名乗る勧誘のケースで残しておきたい証拠
返金請求の見込みは、手元に何が残っているかで大きく変わります。本件でとりわけ重いのが、相手方をたどる手がかりです。
舞台がグループチャットである以上、運営側に退出させられた瞬間、履歴もアカウントも一斉に見えなくなります。
投資アプリについても事情は変わりません。配信が止まれば、インストール済みの画面すら開けなくなる場合がありました。
おかしいと感じた時点が、記録を残せる最後の機会だとお考えください。撮影の順序は問いません。
- グループチャットの名称と参加者の一覧画面
- 「先生」やアシスタントを名乗る人物のプロフィール
- IPOの当選や違約金を告げられたやり取り
- 指定された振込先の口座名義・金融機関名の画面
- 投資アプリの残高表示と出金申請の履歴
撮り方にも一言添えます。画面の一部を切り取らず、日時が写った状態で丸ごと保存してください。前後の文脈が消えると、証拠としての値打ちが下がってしまいます。
証拠が手元にあるうちに、公式LINEで状況をお聞かせください
返金の見通し|送金の手段によって道すじが分かれます
本件で確認されている送金の方法は、銀行振込です。この点は、返金を考えるうえで小さくない意味を持ちます。
銀行口座には凍結という手段があり、暗号資産にはそれがありません。同じ金額を失っていても、たどれる道すじが変わってきます。
以下では、送金の手段ごとに分けてお伝えします。ご自身がどちらだったかを思い出しながらお読みください。
なお、被害回復が必ず保証されるわけではありません。ただ、時間の経過とともに見込みが下がっていくことは確かです。
銀行振込で送金していた場合
振込先の口座が分かっていれば、振り込め詐欺救済法にもとづく手続を検討できます。
金融機関が口座を凍結し、残っていた資金を被害者へ分配する仕組みです。銀行への申出そのものは、被害に遭われたご本人でも行えます。
ただし、口座がすでに空であれば、分配は届きません。凍結が早いほど、残高が残っている可能性は高くなります。
- 口座凍結の申出:資金の流出を止める
- 被害回復分配金:残った資金の分配を受ける
- 弁護士会照会:口座の名義人を特定する
名義人が誰かを知りたいとき、弁護士には弁護士会照会という制度があります。金融機関へ照会し、氏名や住所の回答を求めるものです。
個人名義の口座が指定される本件では、この照会が出発点になります。相手の名前が分からないままでは、請求書の宛先すら書けないからです。
暗号資産で送金していた場合
もし送金が暗号資産で行われていたなら、見通しは大きく変わります。口座凍結という手段そのものが使えません。銀行のように資金を差し止める窓口が存在しないためです。
送金先のアドレスから相手方をたどるには、資金が流れ着いた取引所の協力が要ります。海外の事業者であれば、応じてもらえる保証はありません。
- 口座凍結:銀行振込にしか使えない
- 送金先の追跡:取引所の協力が要る
- 海外事業者:回答を得られない場合がある
そのため当事務所では暗号資産による送金のみのご相談について、回収の見込みが立ちにくく、お力になれない場合がございます。
銀行振込が一部でも含まれているなら、その部分を対象としてご相談を承ります。まずは送金の記録をご確認ください。
返金をうたう業者にはご注意ください
本件のように相手方が匿名の案件では、被害に遭われた方をねらう二次的な勧誘が現れやすくなります。
「IPO詐欺の返金実績あり」「口座名義人を特定します」といった広告が、SNSや検索結果に出てくることがありました。
報酬を得て返金の交渉を代理できるのは、原則として弁護士に限られます(弁護士法第72条)。
探偵や行政書士、コンサルタントを名乗る事業者が交渉まで請け負うと述べる場合、次の3点をお確かめください。
- 交渉を担当するのが弁護士本人かどうか
- 着手金と成功報酬の額が書面に記されているか
- 見込みについて断定的な説明をしていないか
費用と方針は、パンフレットや窓口の担当者ではなく、弁護士本人の口から直接お聞きになることをおすすめします。お住まいの地域で探す場合は日本弁護士連合会の弁護士検索をご利用ください。
伊藤秀史氏を名乗る投資勧誘に関するよくあるご質問
- 早稲田大学の伊藤秀史教授ご本人が、この投資グループに関わっているのですか。
-
同氏ご本人の関与を示す事実は確認されていません。当事務所が確認したのは、氏名と肩書が勧誘の場で使われているという点までです。
大学の公式ページに載る経歴と照らし合わせてお確かめください。氏名を使われた同氏の側も、本件では損害を被る立場に置かれています。
- 「IPOに当選したので購入する義務がある」と言われました。そのような仕組みはあるのですか。
-
新規公開株の割当ては、日本では証券会社の手続を通じて行われます。個人へ振り込ませて当選枠を押さえる仕組みはありません。
申込みをしていない相手に違約金が生じることもありません。金融庁も、同じ趣旨の虚偽説明について繰り返し公表してきました。
- 振込先が個人名義の口座でした。投資であれば不自然なのでしょうか。
-
登録を受けた業者は、顧客から預かった資金を会社名義の口座で管理し、自社の資産とは分別する決まりになっています。人名の口座が振込先になる余地はありません。
振込のたびに名義が変わる場合はなおさらです。指示を受けた画面が残っていれば、消さずに保存しておいてください。
- 金融庁の無登録業者一覧に伊藤秀史という名前はありませんでした。問題ないということですか。
-
そうとは言えません。一覧への掲載がないことと、適法であることは別の事柄です。
一覧は警告を行った先を示すものにすぎず、そこに名前がない相手が適法に営業しているとは限りません。登録の有無と詐欺かどうかは、別々に判断する必要があります。
- グループでは参加者が次々に利益を報告していました。あれは何だったのでしょうか。
-
報告の主が実在する参加者かどうかは、外からは確かめられません。複数のアカウントを使い分けて成功例を演じる形は、金融庁の注意喚起でも触れられています。
周囲の反応まで含めて演出だった可能性があり、その場の空気を判断の材料になさらないほうが安全です。
ご相談の流れ・費用について
当事務所へのご相談は初回無料です。相談の段階で費用が生じることはありません。
まずは公式LINEかお電話で、いつ・どこへ・いくら送ったのかをお聞かせください。振込明細やチャットの画面があれば、その場でお送りください。
内容をうかがったうえで、口座凍結の申出や弁護士会照会といった手段が使える状況かどうかを検討し、見込みをご説明します。
見込みが立ちにくい事案は、その旨を正直にお伝えします。無理にご依頼をすすめることはいたしません。
- 初回のご相談は無料です
- 着手金と報酬金は事前にご説明し、書面で確認します
- ご依頼の判断はご説明の後で構いません
ご依頼をいただく場合、着手金と報酬金の考え方をあらかじめご説明し、委任契約書で確認したうえで進めてまいります。
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※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する成果を保証するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。



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