
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所は、SNS型投資詐欺の被害に遭われた方の救済を使命として、詐欺被害の撲滅に取り組んでおります。
SNS上や出会い系のアプリでやり取りをしていた相手から「Appier」の案件として副業をすすめられ、報酬を受け取るためとして、指定された個人名義の口座へ送金していませんか。
当事務所が公開情報をあたったところ、Appierは東京証券取引所に上場するAI企業(証券コード4180)でした。
その顧客は企業であり、個人にタスクを割り振って報酬を支払う事業ではありません。
窓口として案内される「appierhub.com」も、正規のドメイン「appier.com」とは別のアドレスです。
当事務所は、Appierを騙る勧誘に詐欺の疑いがあると考えております。
本記事で扱うのは、次の4点です。
実在するAppierについて公開情報から確認できること・Appierを騙る勧誘で詐欺が疑われる理由・当事務所の独自調査・残しておくべき証拠と返金の見通しです。
- 実在するAppierは企業向けのAI事業者で、個人への副業案内は行っていないこと
- 正規のappier.comと、勧誘に使われるappierhub.comのドメインの違い
- タスクの報酬を口実に、個人名義の口座へ先に送金させる流れ
- 銀行振込なら口座の凍結を検討でき、暗号資産では手段が限られること
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Appier(Appier Group株式会社)とは|公開情報から分かること
はじめに、実在するAppierがどのような会社なのかを確認しておきます。ここで扱うのは正規のAppierに関する公開情報のみであり、勧誘の話とは切り離してお読みください。
Appierは2012年に台湾で創業したAI企業で、日本語の案内はAppier公式サイトに置かれています。
投資家向けの開示はAppier「IR(投資家情報)」にまとめられ、いずれも「appier.com」の内側にあります。
つまり社名の表示が同じであっても、appier.com以外のアドレスであれば、同社の窓口とは限りません。この点が本件を読み解く出発点になります。
東証上場企業として公開されている情報
Appierを運営するAppier Group株式会社は、東京証券取引所のプライム市場に上場しています。証券コードは4180です。
- 上場市場:東京証券取引所プライム市場(証券コード4180)
- 創業:2012年・台湾
- 拠点:アジア太平洋・欧州・米国の17拠点
- 正規ドメイン:appier.com
社名・所在地・役員構成・業績が、第三者の目に触れる形で開示されている点が、匿名で運営されるサイトとの決定的な違いです。
決算や適時開示は、取引所と投資家情報ページを通じて公表される仕組みになっています。
いずれも公開の場での開示であり、個人へ個別に持ちかけられる種類の話ではありません。
提供しているサービスとその顧客
Appierが提供しているのは、AIを使った広告・マーケティングの支援サービスです。
公式サイトでは、Ad Cloud・Personalization Cloud・Data Cloudという3つの領域で製品が案内されています。
公式サイトが対象の業界として挙げているのは、次の5分野です。
- EC
- 小売
- 金融&保険
- ゲーム
- 自動車
Appierの顧客は一貫して企業であり、個人向けに仕事を発注する仕組みは見当たりません。
この事業内容は、後ほど述べる勧誘の中身とかみ合いません。まずは「Appier=企業向けにAIを提供する上場会社」という事実だけを押さえていただければ十分です。
Appierを騙る偽サイト(appierhub.com)で詐欺が疑われる理由
ここからは、Appierの名称を用いた勧誘について述べます。
対象は「appierhub.com」を窓口とする勧誘であり、前章で扱った正規のAppierとは別個のものとしてお読みください。
報告されている流れは、おおむね次のように進みます。
- SNSで接触し、雑談を重ねて関係をつくる
- appierhub.comへの登録をすすめられる
- タスクの実行を理由に送金する
- 出金しようとすると別の請求が挟まる
当事務所が問題と考えているのは、この流れが実在するAppierの事業構造とかみ合っていない点です。
正規のAppierの事業内容と案内されている副業が一致しない
先に述べたとおり、Appierは法人にAIサービスを販売する会社です。個人がタスクをこなし、その対価を受け取るという構造は、公開されている事業内容のどこにも見当たりません。
| 確認する点 | Appier(正規) | appierhub.com |
|---|---|---|
| ドメイン | appier.com | appierhub.com |
| 運営主体の開示 | 上場企業として開示 | 当事務所では確認できず |
| サービスの相手方 | 法人 | 個人 |
| 金銭の流れ | 企業から同社への支払い | 個人から指定口座への送金 |
名称とロゴが同じでも、事業の中身と金銭の向きが逆転しているのであれば、それは同一の主体による事業とは考えにくいところです。ドメインが異なる点も、この見方を裏づけます。
報酬を受け取るために、先に個人名義の口座への送金を求められる
公開されている相談投稿では、報酬を得る前提として、加盟する事業主とされる相手へ送金するよう案内されていたとのことです。
- 送金先は法人ではなく個人の名義
- 名義人の地域はばらばら
- 振込できないと送金先が入れ替わる
口座名義が固定されず、次々に入れ替わる状態は、正規の企業取引ではまず起こりません。
送金の記録をチャットの画面写真で報告させる運用も伝えられています。仕事の対価を受け取る側が、先に自分の資金を差し出し、その証跡まで提出させられる構図です。
出金や返金を求めた段階で追加の入金を要求される
報告のなかで特に重く見ているのが、これまでに預けた資金を取り戻すには、さらに上乗せして送金する必要があると告げられていた点です。規約を根拠として説明されていたとされています。
この説明には合理性がありません。返すべき金銭を返すために、返す側が追加の入金を条件として課すという理屈は成り立たないからです。
結果として、被害を回復しようとする行動そのものが、次の送金を引き出す入口になってしまいます。ここで踏みとどまれるかどうかが、損害の大きさの分かれ目です。
勧誘の入口と公的機関が公表している副業の被害の流れ
入口はSNSや出会いを目的としたアプリで、雑談を重ねたうえで仕事の話が持ち出される形が報告されています。連絡はメッセージアプリのグループに移されることが多いようです。
参考として、公的機関が公表している資料を挙げておきます。
これらは特定の業者を名指ししたものではなく、当事務所がAppierについて確認したものでもありません。
あくまで、似た構造の被害が広く起きているという背景を知っていただくための参考情報です。公表資料と本件との直接の関係は、当事務所としても断定いたしません。
Appier(appierhub.com)の独自調査
次にご報告するのは、当事務所が公開情報にあたって確認した内容です。ここでの関心は「詐欺かどうか」の心証ではなく、返金を求める相手方を特定できるかという一点にあります。
| 項目 | appierhub.com のドメイン登録情報 |
|---|---|
| ドメイン名 | APPIERHUB.COM |
| 作成日 | 2026年4月30日 |
| 更新日 | 2026年5月2日 |
| 運用期間 | 約107日(2026年8月15日時点) |
| 登録を取り次いだ事業者 | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID 1923) |
| 登録者 | 非公開(国コードは HK) |
| ネームサーバー | A10.SHARE-DNS.COM/B10.SHARE-DNS.NET |
| ステータス | clientTransferProhibited |
ドメインが作られたのは2026年4月30日で、基準日までの運用期間は約107日にとどまります。
登録者の氏名と住所は伏せられており、地域を示す表示は香港。日本の事業者を示す情報は含まれていません。
返金請求では、いつ・誰の口座へ・いくら動いたのかを押さえられるかが結果を分けます。
運営主体を公開情報から追えない場合、請求の相手方を確定する作業から始めなければなりません。
サイト表示内容の確認
当事務所がappierhub.comの表示を確認しようとしたところ、内容を取得できない状態でした。勧誘に用いられていた時期の画面を、現時点で直接たどることはできません。
サイトが閉じられても、返金請求の相手方が消えるわけではありません。ただし、画面や取引履歴といった証拠は、ご自身の手元にあるものだけが頼りになります。
やり取りの記録や送金の控えを削除してしまうと、後から復元することは困難です。心当たりのある方は、この段階で保存の状態をご確認ください。
運営者情報・ライセンス番号の掲示の確認
当事務所が確認できた範囲では、appierhub.comを運営する法人名・所在地・代表者名・連絡先の表記は見当たりませんでした。
規制当局の登録番号やライセンス番号の掲示も同じです。
金銭のやり取りを伴うサービスを日本の消費者に案内する以上、事業者を特定できる表示が求められます。
表示が欠けていること自体が、取引の相手方を確かめられないという事実を示しています。
金融商品取引業の登録の確認
金融庁が公表する金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」を確認したところ、appierhub.comの名称での掲載はありませんでした。
あわせて金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」も確認しましたが、こちらにも記載を見つけられませんでした。
| 確認した一覧 | 更新時点 | 照合結果 |
|---|---|---|
| 免許・許可・登録等を受けている事業者一覧 | 2026年8月15日確認 | 掲載なし |
| 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について | 令和8年7月22日更新 | 掲載なし |
ただし、金融庁の一覧に載っていないことがただちに詐欺を意味するわけではありません。登録の有無と、詐欺にあたるかどうかは別の問題として切り分けて考える必要があります。
この一覧には、警告書が出た時点で無登録営業を確認できた者だけが載ります。掲載がないことは、適法性を保証するものでもありません。
Appierを騙る勧誘のケースで残しておきたい証拠
返金を求めるとき、手続きの成否を分けるのは記憶ではなく記録です。本件では、appierhub.comが閉じられた後に取得できなくなる資料が多く含まれます。
特に、画面上に表示されていた残高やタスクの履歴は、サイトが止まれば二度と取り出せません。撮影していない方は、ご自身の端末に残っている通知やキャッシュもご確認ください。
- appierhub.comの画面写真(残高・タスク履歴・出金申請)
- 送金を指示されたチャットのやり取り全文
- 振込明細(日付・金額・受取人の名義)
- 勧誘してきた相手のアカウント名とプロフィール
- 追加の入金を求められた際のメッセージ
チャットは相手側から一括で削除されることがあるため、画面写真として保存するほうが確実です。名義や日付が読み取れる状態で残してください。
証拠が手元にあるうちに、公式LINEで状況をお聞かせください
返金の見通し|送金手段によって見通しが分かれます
取り戻せる可能性を左右するのは、どの手段で送金したかという点です。
appierhub.comをめぐる報告では、銀行振込が中心という点が重要な意味を持ちます。
銀行を経由していれば、口座という手掛かりが残るためです。一方、暗号資産で送っていた場合は、使える手段そのものが変わってきます。
ご自身がどちらに当てはまるのかを、まず振込明細やアプリの履歴でご確認ください。両方を使っていた方も少なくありません。
銀行振込で送金していた場合
個人名義の口座へ振り込んでいた場合、まず検討するのが振り込め詐欺救済法にもとづく口座の凍結です。
凍結が認められ、口座に資金が残っていれば、被害回復分配金として払い戻しを受けられる場合もあります。
名義人の確認に用いるのが、日本弁護士連合会「弁護士会照会制度について」に基づく照会という手続きです。
| 確認する点 | 返金への影響 |
|---|---|
| 振込から日が浅いか | 口座に残高が残っている見込みが高い |
| 口座名義が判明しているか | 照会と凍結の申立てを進めやすい |
| 振込先が複数か | 口座ごとに手続きが必要になる |
ただし、口座から資金が引き出された後では、凍結できても配分を受け取れません。本件のように送金先が入れ替わる運用では、資金の移動も早いとみておくべきでしょう。
被害回復が必ず保証されるわけではありませんが、時間の経過とともに見込みは下がっていきます。振込から日が浅いほど、打てる手は多く残ります。
暗号資産で送金していた場合
暗号資産で送っていた場合、口座凍結という手段そのものを使えません。銀行口座を経由していないため、凍結の対象が存在しないのです。
- 送金先のアドレスから相手をたどる必要がある
- 海外の取引所に協力を求めることになる
- 特定に至る例は限られ、手続きも長期化しやすい
当事務所では暗号資産による送金のみのご相談については、回収の見込みが立ちにくいため、お力になれない場合がございます。
銀行振込と併用されていた方は、その部分を対象としてご相談を承ります。
返金をうたう業者にはご注意ください
本件では、資金を取り戻すためにさらに送金するよう求められた、という報告があります。「返金」という言葉が、次の被害の入口として使われている点にご注意ください。
同じ構図は、被害に気づいた後にも起こります。SNSで「取り返せた」と語る人物から別の窓口を紹介される、といった接触が典型です。
報酬を受け取って返金交渉を代理できるのは、原則として弁護士に限られます。弁護士法72条が、資格のない者による法律事務の取扱いを禁じているためです。
依頼を検討される際は、費用と方針を弁護士本人に直接お尋ねください。所属や登録番号は日本弁護士連合会「弁護士検索」で確認できます。
Appierを騙る勧誘に関するよくあるご質問
- 「Appier」の社名とロゴが使われていました。上場企業のAppierと関係があるのですか。
-
当事務所が確認した範囲では、appierhub.comと正規のAppierを結びつける情報はありませんでした。
正規の案内はappier.comの内側にあります。名称やロゴが同じでも、ドメインが違えば別の主体とお考えください。
- appierhub.comにアクセスできなくなりました。もう返金は難しいのでしょうか。
-
サイトが閉じても、送金先の口座まで消えるわけではありません。
手続きで必要になるのは、いつ・誰の口座へ・いくら送ったのかという記録です。通帳やチャットが残っていれば、そこから着手できます。
- 振込先が毎回違う個人名義の口座でした。相手を特定することはできますか。
-
名義人については、弁護士会照会を通じて確認できる場合があります。
ただし名義人が別人から口座を譲り受けている例もあり、実行者本人にたどり着くとは限りません。振込控えは一件も欠かさずお残しください。
- 「これまでの入金を返すには追加の送金が必要」と言われています。応じるべきでしょうか。
-
応じないでください。返す側が返金の条件として新たな入金を課すという理屈は成り立ちません。
実際には損害が積み上がるだけの例がほとんどです。送金を止め、やり取りを保存したうえでご相談ください。
- 金融庁の一覧にappierhub.comの名前がありませんでした。問題ないということですか。
-
いいえ。あの一覧は網羅的なものではなく、当局が把握して警告を出した相手だけが載る仕組みです。
掲載がないことは適法性を示すものではなく、登録の有無と詐欺かどうかは分けて考える必要があります。
ご相談の流れ・費用について
初回のご相談は無料です。相談の段階で費用が発生することはありませんので、詐欺かどうか判断がつかない状態でもお声掛けください。
おうかがいするのは、次の3点です。証拠が手元になくても、思い出せる範囲でかまいません。
- 送金した時期と金額
- 振込先の口座名義
- 勧誘を受けた経緯
受任する場合の着手金と報酬金は、事前にご説明したうえで書面にてご確認いただく流れです。金額が後から変わることはありません。
見込みが立ちにくい事案では、そのことを正直にお伝えします。無理にご依頼をおすすめすることはいたしません。
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※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する成果を保証するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。
Appierを騙る投資詐欺・副業詐欺の情報を募集しています
当事務所では、Appierを騙る勧誘についての情報をお寄せいただいております。返金のご相談に至らない段階でもかまいません。
いただいた内容は、同種の被害を防ぐための調査に役立てます。お名前を伏せたままでのご提供も受け付けております。



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