SNS型投資詐欺とは|手口の流れと出金できない時の初動

SNS型投資詐欺とは|手口の流れと出金できない時の初動
この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

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SNS型投資詐欺とは、SNSの広告やダイレクトメッセージをきっかけに投資へ勧誘し、投資名目で金銭をだまし取る手口です。著名人になりすました広告やLINEグループへの誘導から始まり、少額の利益で信用させ、出金時に税金や手数料などの名目で追加入金を求められ、ここで被害が表面化します。

本記事では、SNS型投資詐欺の典型的な流れと、出金させないための主な口実、被害の見分け方や、被害に気づいたときの初動を解説します。

まずは、ご自身の状況が次の項目に当てはまらないか確認してみてください。

  • SNSの広告やDMがきっかけで投資の話を持ちかけられた
  • LINEのグループや個別チャットへ誘導された
  • 少額の利益が出た後に入金額が増えていった
  • 専用アプリや指定口座で資産が増えていると表示されている
  • 出金時に税金や手数料などの名目で追加入金を求められた
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目次

SNS型投資詐欺とは

SNS型投資詐欺とは

SNS型投資詐欺とは、SNSをきっかけに投資へ勧誘し、金銭をだまし取る手口です。著名人のなりすまし広告やLINEグループを利用した手口が増えており、結果として被害が膨らみます。

SNS型投資詐欺の定義と仕組み

SNS型投資詐欺とは、SNSの広告や投稿、ダイレクトメッセージを入口として投資に勧誘し、投資の名目で金銭をだまし取る手口です。

SNSは不特定多数へ広告を配信できるうえ、興味を持った相手をLINEなどのチャットへ誘導しやすいため、詐欺の入口として利用されています。

具体的には、以下のような特徴があります。

  • 著名な投資家や経営者になりすました広告で信用させる
  • 「いいね」や「フォロー」などの反応を利用し、関心のある人を狙って勧誘する
  • LINEなどのチャットへ誘導し、個別にやり取りを行う

対面や電話よりも警戒されにくく、やり取りを重ねながら少しずつ信頼関係を築いていきます。

被害に遭いやすい年代と傾向

SNS型投資詐欺の被害者は40〜60代を中心に、若年層から高齢層まで幅広い年代で確認されています。また、1件あたりの被害額が高額になりやすい傾向もみられます。

警察庁によれば、令和7年(2025年)のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は約1,834億円にのぼり、前年から大きく増加しています。

傾向としては、次のような指摘がされています。

  • 被害者は40〜60代が中心
  • 若年層から高齢層まで幅広い年代で被害が発生している
  • まとまった資産や退職金を保有する人ほど高額被害につながりやすい

被害額が高額化しやすいのは、少額の利益を見せて信用させた後、段階的に入金額を引き上げる手口が使われるためです。年代や投資経験の有無にかかわらず被害は発生しているため、「自分は大丈夫」と過信せず、慎重な判断が大切です。

SNS型投資詐欺の典型的な流れ5ステップ

SNS型投資詐欺の典型的な流れ5ステップ

SNS型投資詐欺は、勧誘から出金トラブルに至るまでの流れに共通点があります。被害に気づいていない場合でも、次の5つのステップに当てはまる場合は注意が必要です。

①SNS広告・DMからの勧誘

最初の入口は、著名な投資家や経営者になりすました広告やダイレクトメッセージです。実在する有名人の名前や写真を無断で使用し、「優良銘柄を無料で教える」などの言葉でLINE登録へ誘導します。

主な手口として、以下が挙げられます。

  • 著名人になりすました広告やSNS投稿で信頼感を演出する
  • 「無料で銘柄を教える」としてLINEグループや偽の投資コミュニティへ誘導する
  • 「IPO当選」「優先配分」などの特別な機会を装い期待感を高める

この段階では金銭を求められない場合が多く、詐欺だと気づきにくいのが実情です。なりすまし広告の見分け方は、SNSごとの手口を解説した記事で詳しく扱います。

②LINEグループ・チャットへの誘導

LINEへ登録すると、講師役とアシスタント、多数の参加者で構成された投資グループへ案内されます。

こうしたグループは「勉強会」や「投資講座」といった名目で運営されており、一見すると学びの場のように見えます。

グループ内では、次のような役割分担がみられます。

  • 「先生」役が相場解説や銘柄情報を発信し、専門家らしさを演出する
  • アシスタント役が質問に答え、参加者を安心させる
  • 多数の参加者が「利益が出た」と投稿し、成功している雰囲気をつくる

参加者の好意的な投稿が続くと、「多くの人が利益を出しているなら本物だろう」と信じ込んでしまいます。しかし、こうした投稿の一部は運営側による演出の可能性があります。グループ内でのやり取りへの対処法は、LINE投資グループを扱った記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

③少額の利益を見せて信頼させる

指示どおりに少額を投資すると、実際に利益が出たように表示され、相手への信頼が一気に高まります。これは、その後の高額な入金へ誘導するための手口です。

被害者は次のような流れで相手を信頼していきます。

  • 少額の投資で利益が出たように見え、手口を疑わなくなる
  • 利益を確認したことで「もっと増やせるかもしれない」と期待する
  • 成功体験によって相手の指示を信用するようになる

最初の段階では、少額であれば実際に出金に応じる場合もあります。「本当に引き出せた」という成功体験をさせて警戒心を解き、その後の高額な入金につなげるためです。この成功体験が、その後の高額な入金に応じてしまう引き金になります。

④専用アプリ・指定口座での運用

信頼関係が築かれると、専用アプリや「機関投資家向け口座」などでの運用を勧められるケースがあります。画面上では資産が増え続けているように見えても、実際の取引が行われていない可能性があります。

このとき、次のような形で運用しているように見せかけます。

  • 専用アプリや特設サイトに入金額や運用益が数字で表示される
  • 「機関投資家だけが利用できる」などの特別感を演出する
  • 資産が増えているように見えるが、表示額が実際の資産とは限らない

画面上の金額は運営側が操作できる場合があり、実際に引き出せるかは別の問題です。表示されている利益を信じて追加入金を続けた結果、被害が膨らみます。

⑤出金時に追加入金を求められる

十分な金額が積み上がった段階で出金を申し出ると、税金や手数料、保証金などの名目で追加入金を求められここで被害が表面化するケースが多く見られます。

それまで順調に見えていた運用も、出金を希望した途端に進まなくなります。「出金するには先に入金が必要」と説明される場合がありますが、応じても出金できず、さらに別の名目で追加送金を求められることもあります。

追加入金の要求に応じるほど被害額は大きくなるため、この段階は詐欺を疑う重要なサインといえます。

出金させない主な口実

出金させない主な口実

出金を拒否する際の口実には共通点があります。いずれも出金の前にまず入金が必要と説明される点です。正規の金融取引では、出金のために税金や保証金などを個人口座へ先払いさせることはありません。

税金・手数料・保証金などの名目

出金を求めると、もっともらしい名目で追加入金が要求される場合があります。

「支払えば出金できる」と説明されますが、実際には出金できなかったり、さらに別の名目で追加送金を求められたりするケースが頻繁に見受けられます。

代表的な口実は次のとおりです。

名目説明される内容
税金「利益に20.315%の税金がかかる」として先払いを求める
手数料「出金手数料12〜16%が必要」と説明する
保証金「出金には保証金の預け入れが必要」と求める
IPO当選「当選したが不足額がある」として入金を促す
凍結解除費用「口座が凍結された、解除に費用がかかる」と求める

実際の株式投資に近い税率や専門用語を用いて、説明に現実味を持たせています。仮想通貨が絡む出金トラブルは、別の記事で詳しく扱います。

正規の取引と詐欺的な取引の違い

正規の金融取引と詐欺的な取引は、出金の仕組みが大きく異なります。正規の取引では、利益にかかる税金は確定申告や源泉徴収を通じて納め、出金前に運営側への先払いはありません

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

項目正規の取引詐欺的な取引
税金の扱い確定申告・源泉徴収で納付出金前の先払いを要求
送金先法人口座個人口座
出金条件手数料差引後に出金追加入金を要求

特に、出金のために個人口座へ追加送金を求められる場合は注意が必要です。正規の金融機関は、金融商品取引法にもとづき顧客の資産を自社の資産と分けて管理(分別管理)する義務があります。

そのため、入出金は登録業者名義の口座で行われるのが一般的です。担当者個人の口座を指定された場合は、正規の取引とは考えにくいでしょう。金融庁も、無登録業者との取引や、個人口座への振込を求める勧誘について注意喚起を行っています。

SNS型投資詐欺を見分ける視点

SNS型投資詐欺を見分ける視点

SNS型投資詐欺を見分けるうえで大切なのは、誰が・どこへ・どう勧誘しているかの3点です。

確認したいのは、次の3点です。

  • 金融庁の登録の有無:投資の勧誘や運用を業として行うには、金融商品取引業の登録が必要です。登録業者は金融庁のウェブサイトで確認できます。
  • 送金先が個人口座ではないか:正規の登録業者であれば、送金先は法人口座が一般的です。担当者個人名義の口座を指定された場合は注意が必要です。
  • 断定的な表現の有無:「必ず儲かる」「絶対に損しない」などの表現は、本来の投資勧誘では用いられません。金融商品取引法でも、利益を断定して勧誘する行為は禁止されています。

一つでも不審な点がある場合は、確認しましょう。

被害に気づいたときにまずすべきこと

被害に気づいたときにまずすべきこと

「詐欺かもしれない」と感じた場合には、まず追加送金を止める・証拠を残す・相手の連絡先の確保することが重要です。早い段階で対応するほど、その後に取れる選択肢は広がりやすくなります。

まず送金を止めて証拠を残す方法

最優先すべきは、これ以上の送金を止めることです。

「あと一度入金すれば出金できる」と説明されても、その入金によって状況が改善するとは限りません。被害拡大を防ぐためにも、まずは追加送金を止め、手元の記録を保存しましょう。

  • 相手から求められた追加入金には応じない
  • やり取りの画面や振込明細、アプリの表示をスクリーンショットで保存する
  • 日時や金額、相手の名前などを時系列で記録する

これらの記録は、弁護士や警察へ相談する際の重要な資料になります。記録は後から思い出して作成すると、日時ややり取りの内容が曖昧になりやすいため、気づいた時点で保存しておきましょう。

証拠の保存から警察への相談まで、被害に気づいた直後の動き方は投資詐欺にあったらどうする?初期対応の流れで詳しく解説しています。

すでに送金している場合でも、振込先の情報が調査や交渉の手がかりになる可能性があります。

連絡先とやり取りを確保する

相手とのやり取りや送金先の情報は、削除される前に保存しましょう。詐欺グループは、被害が発覚するとアカウントやグループを削除し、連絡が取れなくなる場合があります。

特に、次の情報はできるだけ早く保存しておきましょう。

  • 相手のLINEアカウント名やSNSプロフィール、グループ名
  • 振込先の口座番号、口座名義、金融機関名
  • 紹介者がいる場合は、その人物とのやり取りの記録

保存した情報は、金融機関への口座凍結の申し出や警察への相談を行う際の重要な資料になります。警察への相談を考えている場合は、警察に相談すべきか・被害届の出し方で手順と注意点を解説しています。

送金先が個人口座の場合は、犯罪利用が疑われる口座として金融機関へ情報提供され、口座凍結につながる可能性もあります。

一人で抱え込まず、消費生活センター(消費者ホットライン「188」)や弁護士などへの相談も検討しましょう。

弁護士に相談するメリットと相談方法

弁護士に相談するメリットと相談方法

弁護士に相談するメリットは、本人に代わって相手方との交渉や被害回復に向けた手続きを進められる点です。相談は被害に遭った本人だけでなく、ご家族からでも可能です。

弁護士の選び方については別の記事で詳しく解説しています。

代理人として弁護士ができること

弁護士は、被害者の代理人として、本人だけでは難しい対応を進められます。

SNS型投資詐欺では、相手方の特定や資金の流れの調査など、専門的な手続きが必要になります。

具体的には、次のような対応が可能です。

  • 振込先の金融機関に対し、口座凍結に向けた手続きを行う
  • 振込先口座の名義や資金の流れを調査し、相手方の特定を試みる
  • 警察への被害相談に必要な資料の整理や準備をサポートする
  • 相手方との交渉や返金請求に関する法的手続きを代理で進める
  • 受任後は相手方や紹介者との連絡窓口を引き受け、依頼者が直接やり取りする負担を軽減する

被害回復の可否は、送金時期や相手方の状況などによって異なります。返金がどの程度見込めるかの考え方は、返金率と事例から見る返金の可能性で整理しています。

ただし、早い段階で相談するほど、取れる対応の選択肢は広がる可能性があります。

本人以外・家族からの相談について

SNS型投資詐欺の相談は、被害に遭った本人だけでなく、ご家族からでも可能です。「家族が投資にのめり込んでいるが、本人は詐欺だと認めない」というケースも多くあります。本人が相手を信じ込んでいる段階では、家族だけで説得するのは簡単ではありません。

このような場合は、次のような相談ができます。

  • 本人が相談に消極的でも、家族が状況を整理して相談する
  • 送金記録ややり取りの内容をもとに、客観的な状況を確認する
  • 本人への接し方や今後の対応について相談する

家族から相談すると、第三者である弁護士の視点から状況を整理しやすくなる場合があります。本人が相談に消極的でも、家族が先に状況を確認しておくことで、その後の対応を検討する手がかりになります。

依頼を前提としなくても相談できるため、不安がある場合は早めの相談がおすすめです。LINEからの無料相談も受け付けています。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)
自分の判断で始めたSNS型投資詐欺でも相談していいですか

相談して問題ありません。

SNS型投資詐欺は、信頼関係を築いたうえで金銭をだまし取るよう設計された手口です。「自分で始めたから相談できないのでは」と考える方もいますが、実際には同じような悩みを抱える方は少なくありません。

自分の意思で投資を始めたことと、だまされて金銭を失ったことは別の問題です。一人で抱え込まず、まずは状況を整理するための相談をおすすめします。

まだ出金できている段階でも相談すべきですか

出金できている段階でも、相談する価値はあります

少額の出金で信頼させ、その後に高額な入金を促す手口が使われるケースもあるためです。「一度出金できたから大丈夫」と考えて入金を続けた結果、後から出金できなくなる場合もあります。

次のような状況に当てはまる場合は注意が必要です。

  • 出金はできたが、担当者から追加投資や増額を勧められている
  • 出金の条件として、新たな名目の費用や手数料を求められている
  • 運用額が大きくなり、本当に出金できるか不安を感じている

早い段階での相談であるほど、状況を整理しやすくなり、取れる対応の選択肢が広がる可能性があります。

著名人が勧めていた案件でも相談していいですか

相談して問題ありません。

著名人になりすました広告は、SNS型投資詐欺でよく使われる手口のひとつです。実在する投資家や経営者の名前、写真を無断で使用した広告は数多く確認されています。著名人本人がSNS広告から個別のDMや有料グループへ直接誘導するケースは一般的ではありません。

「有名な人が紹介していたから安全だと思った」という場合でも、名前や写真が悪用されている可能性があります。不安がある場合は、一度、状況整理のための相談をおすすめします。

家族が被害を認めません 本人以外から相談できますか

ご家族からの相談も可能です

本人が被害を認めていなくても、家族が状況を整理したうえで相談できます。SNS型投資詐欺では、本人が相手を信じ込み、周囲の助言を受け入れられないケースも少なくありません。そのような場合でも、送金記録ややり取りの内容をもとに状況を確認できます。

また、本人への接し方や今後の対応についての相談も可能です。一人で抱え込まず、まずは状況を整理するためにも相談をおすすめします。

相談だけして手続きを進めないこともできますか

相談だけで終えても構いません

相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。まずは状況を聞いてもらい、どのような対応が考えられるかを知ったうえで、依頼するかどうかを判断できます。

「相談したら契約を勧められるのでは」と心配される方もいますが、状況の整理や今後の対応だけを目的に利用していただいても差し支えありません。

不安や疑問がある場合は、LINEの無料相談からお聞かせください。

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※本記事の記載内容は2026年6月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

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