
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
Instagram上で知り合った人物とのやり取りをきっかけに、投資用サイト「COINP」への登録を案内された。
当事務所には、このような経過のご相談が届いております。ご相談者様は出金をお申し込みになった際、利益の20%にあたる保証金を先に納めなければ出金できないとの説明を受けたとのことです。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
本記事では、ご相談者様からお伺いした経過と、あわせて実施したドメイン登録記録の調査結果をご報告いたします。
- 入口はInstagram上での個人同士のやり取りであり、連絡手段がLINEへ移されたのち、グループLINEを経て投資用サイト「COINP」(m.coinpil.vip)の登録に至っています。
- サイト上の画面では資産が増加していく数値が示された一方、出金のお申込み時には「利益の20%の保証金」を先に納めるよう説明を受けたとのことです。
- 当該サイトが用いるドメイン「coinpil.vip」の作成日は2026年1月28日であり、登録者情報はプライバシー保護のため非公開とされていることが確認されました(2026年8月20日時点)。
金融庁へ情報提供を行った内容
本セクションでは、金融庁の情報受付窓口へ実際にお伝えした内容を、項目ごとに整理してお示しいたします。ご相談者様からお伺いした事実にもとづき、以下のとおり報告を行いました。
| サイト名 | COINP |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類 | |
| 偽広告等を特定するための情報 | なし |
| 偽広告等の概要 | なし |
| なりすまされている著名人等の名前 | なし |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | なし |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | URL等はございません。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://m.coinpil.vip/#/ |
当事務所において当該URLを確認したところ、表示されるのはログイン画面のみでした。電話番号またはメールアドレスとパスワードの入力欄が並び、取扱通貨や手数料、運営会社に関する案内は確認できておりません。

実際に寄せられたご相談の経過
本件は、投資広告ではなく、SNS上での個人同士の会話から始まっている点に特徴がございます。ご相談者様からお伺いした流れを、時系列にそって整理いたします。
- Instagram上で台湾出身と称する人物と知り合い、当初は日常的な会話を交わす
- 同じ人物から連絡手段をLINEへ移すよう求められ、LINE上でのやり取りを開始する
- 会話の話題が日常的な内容から投資へと移り、投資に関するグループLINEへ招待される
- グループ内には「先生」「アシスタント」と称する人物が参加しており、米国株投資に関する情報が日常的に提供される
- グループLINE内で、別途投資用サイトのダウンロードおよび登録を指示される
- 案内にしたがって登録すると、取引を行うたびに画面上の残高が増えていく表示を確認する
- 出金をお申し込みになったところ、利益の20%にあたる保証金を先に払わなければ出金できないと説明される
ご相談者様によれば、知り合った当初は投資の話題は出ておらず、しばらく日常的な会話が続いたとのことです。連絡手段がLINEへ移ったあと、少しずつ話題が投資へと移っていったとお伺いしております。
グループLINEに参加された後は、指導役や補助役を名乗る参加者から米国株投資に関する情報が提供されていました。その流れのなかで、別途投資用サイトの登録を指示され、ご相談者様は案内どおりに手続きを進められています。
サイト上には取引ごとの損益が数値で示され、資産が増えているように見受けられたとのことです。しかし出金をお申し込みになった段階で、利益の20%を保証金として先に納める必要があるとの説明を受けました。
ご相談者様は、出金の条件として事前の納付を求められた点に疑問をお持ちになり、ご自身でお調べになったうえで当事務所へご相談をお寄せくださっています。
⇒Instagramで知り合った方からLINEへ連絡手段を移すよう求められた経過にお心当たりのある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口までご状況をお寄せください
本件で確認された手口の特徴
本件では、公的機関が注意を呼びかけているSNS型投資詐欺の相談事例と重なる要素が複数確認されました。一方で、本件ならではの特徴も見受けられます。まず、確認された特徴を整理いたします。
- 入口は投資広告ではなく、個人同士の日常的な会話でした。
- 連絡手段がInstagramからLINEへ移され、さらにグループLINEという閉じた場へ移っています。
- グループ内には「先生」「アシスタント」という役割を名乗る人物が登場します。
- 投資用サイトは検索や公式ストアからではなく、グループ内で共有された案内を通じて登録に至りました。
- サイト上では資産が増えているように表示される一方、出金の段階で追加の支払いを求められています。
- 追加の支払いは「利益の20%の保証金」という比率で説明されました。
連絡手段が段階的に移されている点は、本件の経過を理解するうえで一つの手がかりとなります。Instagram上での一対一のやり取りから、LINE、さらにグループLINEへと、やり取りの場が順に移されている経過です。
本件で特に目を引くのが、追加の支払いの説明のされ方です。金額そのものではなく「利益の20%」という比率で示されているため、画面上の利益が大きく見えるほど、求められる金額も大きくなる構造でした。
また、グループLINE内で提供されていた情報は米国株投資に関するものであった一方、ご案内されたサイトの名称は「COINP」でした。話題の対象と、登録を求められたサイトの名称とが、必ずしも対応していない状況です。
出金の手続きに際して、あらかじめ一定の金額をお支払いいただく必要があるとの説明を受けた場合には、その説明が何にもとづくものかを、お支払いの前にご確認いただくことが考えられます。とりわけ、支払いを求める根拠となる規約や条項が示されないまま、口頭やチャット上の説明のみで案内されているときは、ご状況を整理する手がかりとなります。
また、ご案内を受けたサービスの名称と、実際に運営されているドメインとが対応しているかどうかも、確認できる事項の一つです。ご不安をお持ちの段階でご相談いただくことで、お手元の資料をもとに状況を整理することが可能となります。
⇒「利益の◯%」という比率で追加のお支払いを求められた経過がございましたら、公式LINE窓口にてお話をお聞かせいただけます
当事務所による独自調査の結果
当事務所では、ご相談内容を踏まえ、当該サイトが用いるドメインの登録記録と、同一の名称で運営されているサービスとの関係について確認を行いました。確認できた客観的な事実を、以下のとおりご報告いたします。
ドメイン「coinpil.vip」の登録記録
ICANNの登録データ検索ツールを用いて、当該ドメインの登録記録を確認いたしました。確認できた内容は以下のとおりです。
| ドメイン名 | coinpil.vip |
|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年1月28日 16:21:04 UTC |
| 更新日(Updated Date) | 2026年3月29日 16:21:08 UTC |
| 運用期間 | 約204日(2026年8月20日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID:1923) |
| 登録者情報 | プライバシー保護のため非公開(ISO-3166コード:US) |
| ネームサーバー | shane.ns.cloudflare.com margaret.ns.cloudflare.com |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited |
登録記録から確認できるのは、当該ドメインが2026年1月28日に作成されており、照会を行った2026年8月20日時点で運用期間が約204日にとどまるという事実です。
また、登録者の氏名・組織名・連絡先は、いずれもプライバシー保護を理由として伏せられています。そのため、公開された登録記録だけでは、どなたが当該サイトを運営しているのかまでは判明いたしません。
ドメインの登録記録は、どなたでも無料で確認できる公開情報です。ご登録やお振込みを進められる前の段階で、案内されたサイトのドメインがいつ作成されたものかをご確認いただくことは、ご状況のご整理にあたっての手がかりとなります。
もっとも、作成日が新しいことのみをもって、そのサイトの性質が定まるものではございません。運営主体を確認できる情報が公開されているかどうかとあわせて、総合的にご判断いただくことが考えられます。
同一の名称で運営されている「CoinP」との対比
「CoinP」という名称は、coinp.com というドメインで案内されている暗号資産取引サービスにおいても用いられていることが確認されました。暗号資産の情報サイトであるCoinMarketCapの取引所ページでは、当該サービスの所在地としてシンガポールが挙げられ、公式サイトとして coinp.com が案内されています。
これに対し、今回ご相談のあったサイトが用いるドメインは coinpil.vip です。両者は別のドメインであり、双方の関係を示す記載も確認できておりません。
なお、金融庁への情報提供にあたっては、なりすまし対象について「なし」とご報告しております。著名人等になりすます態様の勧誘は確認されていないためです。名称が共通しているという事実と、なりすまし対象の有無とは、別の論点となります。
公的機関が公表している相談事例と、登録業者一覧での確認方法
本件と近い経過については、公的機関も相談事例を公表しています。国民生活センターは「マッチングアプリで知り合った人から勧められた暗号資産の投資サイトに手数料を支払ったが、出金できない」という相談事例を、消費者トラブル解説集として掲載しています。
知り合った相手から投資サイトを勧められ、出金の際に追加の支払いを求められるという経過は、本件と共通する部分がございます。
あわせて、事業者の登録状況もご確認いただけます。国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを行う場合には、暗号資産交換業の登録が必要とされています。金融庁は登録を受けた業者の一覧を公表しており、どなたでも確認することが可能です。
登録の有無は、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」および「暗号資産の利用者のみなさまへ(暗号資産交換業者登録一覧)」からご確認いただけます。ご登録やお振込みの前に、事業者名でお調べいただく方法がございます。
当事務所の対応およびご相談のご案内
本記事は、金融庁の情報受付窓口へ当事務所が情報提供を行ったという事実について、お知らせするために作成しております。あわせて、同様の経過にお心当たりのある方へ向けて、ご相談の受付をご案内いたします。
当事務所では、以下のようなご状況について、ご相談を承っております。
- Instagramやその他のSNSで知り合った方から、LINEへ連絡手段を移すよう求められた
- グループLINE内の「先生」「アシスタント」と称する人物の案内にしたがって、サイトへ登録した
- 画面上では利益が出ているように見えるものの、出金の申込みができない
- 出金の条件として、税金・保証金・手数料等の名目で追加のお支払いを求められている
- 送金してしまった資金について、今後取り得る対応を確認したい
こうしたご状況では、お手元の資料が時間の経過とともに確認しづらくなることがございます。そのため、早めの段階でご状況を整理していただくことには意味がございます。ただし、早期にご対応いただいた場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではございません。
ご相談にあたっては、やり取りの履歴、送金の記録、サイトの画面などをお手元にご用意いただけますと、ご状況の把握が進みやすくなります。すべてがそろっていない場合でも、お話をお聞かせいただくことは可能です。
同種の経過が広がることを食い止めるためにも、心当たりのある案内を受けられた際には、どうぞご注意ください。ご不明な点やご心配なことがおありでしたら、当事務所までお気軽にお声がけくださいませ。
よくあるご質問(FAQ)
本件に関しまして、特にお問い合わせの多い事項を4つ取り上げ、以下にご説明いたします。
- COINPの画面に表示されていた利益は、そのまま出金できる金額と考えてよいのでしょうか?
-
画面上の表示は、あくまで当該サイト上で表示されている数値です。表示された金額がそのまま出金できるかどうかは、その表示が実際の取引や預り資産と結びついているかによって変わります。
本件のように、出金のお申込みに際して追加のお支払いを求められている場合には、表示されている金額を前提にご判断される前に、お手元の記録を整理していただく方法がございます。取引画面や出金申請画面の保存が、そのための材料となります。
- 出金の条件として「利益の20%の保証金」を先に払うよう求められましたが、正規の取引サービスでも同様の取扱いはあるのでしょうか?
-
金融庁に登録された暗号資産交換業者の場合、手数料や出金に関する条件は、契約締結前交付書面や手数料表として利用者に示されることとなります。そのため、口座を開設する前に条件を確認できる状態が確保されています。
本件でご案内のあったサイトでは、公開されている画面がログイン画面のみであり、手数料に関する記載は確認できておりません。根拠となる規約が示されないまま、出金の直前に比率での支払いを求められている場合には、その説明の根拠をご確認いただくことが手がかりとなります。
- Instagramの広告ではなく、知り合った方から個人的に紹介されたサイトです。広告経由ではない場合も同じように注意が必要なのでしょうか?
-
入口が広告であるか、個人同士のやり取りであるかによって、その後の経過の性質が変わるものではございません。国民生活センターも、マッチングアプリ等で知り合った相手から暗号資産の投資サイトを勧められた事例を、相談事例として公表しています。
むしろ、時間をかけて関係が築かれている分だけ、ご相談者様が疑問をお持ちになりにくい状況が生じやすくなります。紹介者との関係とは切り離して、案内されたサービス自体の情報が公開されているかどうかをご確認いただく方法がございます。
- すでにCOINPの案内にしたがって送金してしまいました。振り込め詐欺救済法による対応は可能でしょうか?
-
国内の銀行口座へお振込みをされている場合には、振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律。振り込め詐欺救済法・e-Gov法令検索)にもとづく口座凍結の申出を、振込先の金融機関へ行える場合がございます。
もっとも、同法による手続きは、対象口座に残高が残っていることが前提となります。したがって、申出を行った場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではございません。暗号資産で送金された場合には、別途の検討が必要となります。
※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

