
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
ART法律事務所には先般、YouTube上に流れていた優良株投資の広告を入口として、グループLINEへ招待され、投資名目で送金するに至ったというご相談が寄せられました。
本件の経過をふまえ、当事務所より、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報を提供しております。同種の手口の把握につながればと考えた次第です。
ご相談者は、「MUFG」の名称を掲げるサイト上で資産が増えていく表示を見せられ、いざ出金を申し出た段階になって「税金」の納付を求められる経過をたどっておられます。
- YouTube上の広告からグループLINEへ招待され、「MUFG」を掲げるサイトへの登録を案内された経過です
- 画面上は利益が積み上がる一方、出金の申し出には「税金」の納付が条件として示されています
- 当事務所の調査では、偽サイトのドメインは作成から約44日と日が浅く、登録者情報も伏せられていました
金融庁へ提供した「MUFG」に関する情報の概要
当事務所は、ご相談者からお預かりした事実関係を整理したうえで、金融庁の窓口へ次の内容をお伝えしました。
表の項目名と並びは、提出時の様式のままです。該当がない項目は「-」と記載しました。
なお、掲載にあたっては、ご相談者が特定される情報を除いております。

掲載した画面は、当事務所が2026年8月21日に取得したものです。加工は行っておりません。
| サイト名 | MUFG(なりすまし) |
| グループLINE名 | – |
| SNSの種類 | YouTube(広告) |
| 偽広告等を特定するための情報 | YouTube上で投資に関する広告を見つけ、興味を持ってタップしたところ、グループLINEへ誘導されました。 |
| 偽広告等の概要 | 上記の「偽広告等を特定するための情報」と同じ内容です。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券「【重要】当社や当社役職員を装ったSNSによる勧誘等にご注意ください」 https://www.sc.mufg.jp/company/news/crime/crime20200323.html |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり(LINEグループ) |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | URL等はございません。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://easynect.silvuno.net/ |
ご相談で確認された被害の経過
本件は、広告の閲覧から出金の拒否までが、いくつもの段階を踏んで進んでいます。どの段階でも、相手方から不自然さを感じさせない説明が添えられていた点が特徴です。
実際のご相談では、次のような順序で話が進んでいったとうかがっています。
- 動画の再生中に表示された優良株投資の広告を閲覧する
- 広告に関心を持ってタップすると、グループLINEへ招待される
- グループ内の「先生」「アシスタント」と称する人物から情報提供を受ける
- グループLINE内で、投資用サイトのダウンロードと登録を指示される
- 案内にしたがってサイトへ登録し、取引を始める
- 画面上では、取引のたびに利益が発生しているように表示される
- 出金を申し出たところ、税金を納めなければ応じられないと説明される
グループLINEでは、優良株の投資情報が日常的に流されていたとのことです。
ご相談者は、画面に積み上がっていく数字を運用の実績として受け止めておられました。
出金の前に納付を求められた点に不審を抱き、お調べになったところ、同種の事案が数多く起きていることを知り、当事務所へのご相談に至った次第です。
⇒YouTube上の投資広告からグループLINEに招待され、「MUFG」名義のサイトにご登録された経過のある方は、ART法律事務所の公式LINE窓口にてご状況をお聞かせいただけます
MUFGに見られる手口の特徴
本件には、SNS型投資詐欺として報告されてきた要素が並んでいます。実在する金融グループの略称が信用の材料に使われている点も見過ごせません。
主な特徴は次のとおりです。
- YouTube広告を入口とし、クローズドなグループLINEへ移す誘導型
- 「先生」「アシスタント」と称する役割を置いた、指導形式での信用構築
- 実在する金融グループの名称と意匠を掲げた取引用サイトの提示
- 出金の条件として「税金」の納付を求める説明
金融庁の「投資詐欺にご注意ください」や警察庁の「SNS型投資詐欺」でも同種の手口が扱われています。
本件に固有の点は、その略称がアプリではなく、ブラウザ上のサイトに用いられていたことです。
出金の前に金銭の納付を求める説明があったとしても、それだけで違法と決まるわけではありません。
もっとも、正規の金融機関が、出金の条件として別途の送金を求める取り扱いは想定しにくいところです。
画面の名称や意匠は、事業が実在することの裏づけとは限りません。送金に応じる前に、振込先の名義と案内元のやり取りを保存してください。
⇒「税金」の名目で追加のお振込みを求められた経過がございましたら、公式LINE窓口にてご状況を承っております
MUFGに関する当事務所の独自調査結果
当事務所では、ご相談の内容を裏づける材料を得るため、案内されていたサイトのドメイン登録情報と、名称を用いられた企業の公表資料を調べました。
その結果、ドメインの運用開始から日が浅く、登録者にたどり着く手がかりも伏せられている状態でした。
名称を用いられた企業の側からは、SNSを通じた勧誘について注意が呼びかけられています。
偽サイト「easynect.silvuno.net」のWhois調査結果
ご相談者が案内されたURLはサブドメイン形式であったため、親ドメインについて登録情報を照会しております。
| ドメイン名 | silvuno.net(SILVUNO.NET) |
|---|---|
| 作成日(Creation Date) | 2026年7月8日 |
| 更新日(Updated Date) | 2026年7月8日 |
| 運用期間 | 約44日(2026年8月21日時点) |
| 登録事業者(レジストラ) | Gname.com Pte. Ltd. |
| 登録者情報 | プライバシー保護により非公開(各項目が伏字。国コードはJP) |
| ネームサーバー | COBY.NS.CLOUDFLARE.COM/DAISY.NS.CLOUDFLARE.COM |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited(クライアントの譲渡は禁止) |
照会の結果、親ドメインの作成は2026年7月8日で、基準日である2026年8月21日までの運用期間は約44日でした。
証券取引をうたうサービスの拠点としては、開設から間もない状態にとどまっております。
登録者の氏名・住所・連絡先はいずれも伏字であり、国コードのJPだけが読み取れる状態でした。
公開されているのは登録事業者の窓口のみで、運営者へ直接たどり着く経路は見当たりません。
ドメインの登録者情報を伏せる運用自体は広く行われており、それだけで違法性が生じるとはいえません。
ただ、資金を預ける相手方の実在を確かめる手段が、利用者の側に残されていない点は気になります。
送金を求められた際は、案内元のドメインと振込先の名義が一致しているかも、あわせてご確認ください。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券による注意喚起
提出内容の項目6に挙げた企業の公表状況を確認いたしました。
同社は「金融犯罪に関するお知らせ」で、「【重要】当社や当社役職員を装ったSNSによる勧誘等にご注意ください」を掲げております。
同社や役職員を騙り、LINE等のSNSで偽の投資勧誘を行う事案を複数確認している旨の記載です。

同社が自ら勧誘を行っていないと述べている以上、その名称を用いた送金の案内には注意が必要です。名称が企業の意思と無関係に用いられた可能性もうかがえます。
ドメインの作成が2026年7月8日、注意喚起の掲出が同月15日という時系列も、ご確認ください。
YouTube上の広告を入口とし、実在する証券会社のアプリを装ったうえで、出金の段階で追加の支払いを求める点で本件と共通する事例です。
当事務所の対応およびご相談のご案内
SNSを起点とする投資勧誘のうち、出金が滞っている事案について、ご相談を承っております。
以下のようなご経過にお心当たりのある方は、お一人で抱え込まずにお声がけください。
- 出金を申し出たところ、税金などの名目で追加の送金を求められている
- 動画サイトの広告からグループLINEへ招待され、指示にしたがって取引を続けている
- 実在する金融機関の名称が掲げられたサイトへ送金し、連絡が取りにくくなっている
初動が早いほど、取り得る手段の幅は広がりやすい傾向にあります。
ただし、早期にご対応いただいた場合であっても、被害回復が必ず保証されるものではありません。まずは、お手元に残っている記録を保存いただくことが第一歩となります。
本記事は、お寄せいただいたご相談をふまえ、関係機関である金融庁へ情報を提供した経緯をご報告するものです。同じ型の勧誘にお心当たりのある方は、どうぞご注意ください。
⇒MUFG(エムユーエフジー)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
MUFGに関するよくあるご質問
- 案内されたサイトにMUFGのロゴやログイン画面が表示されていましたが、三菱UFJグループの正規のサービスと考えてよいのでしょうか。
-
画面上の名称やロゴは複製が容易であり、それだけで運営者が正規の事業者であるとは限りません。
国内で金融商品取引業を営むには登録が必要とされており、登録の有無は金融庁の「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で確認できます。
案内されたURLが、企業が公式に用いているドメインと一致しているかどうかも、あわせてお確かめください。
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、SNSを通じた投資の勧誘について何か公表していますか。
-
同社は公式サイトの「金融犯罪に関するお知らせ」で、自社や役職員を装ったSNS上の投資勧誘について、繰り返し注意を呼びかけております。
SNSやダイレクトメールを通じて個別の金融商品への投資勧誘は行わない旨も明示されています。
著名な企業名を用いた勧誘については、国民生活センターも相談の急増を公表済みです。
- 出金の前に税金を納める必要があると説明されましたが、通常の取引でもこうした手続はあるのでしょうか。
-
証券取引で生じた利益に係る税は、確定申告や源泉徴収といった制度上の仕組みを通じて納めるのが一般的です。
出金に応じる条件として、運営者側が指定する口座へ利用者に別途の送金を求めるような取り扱いは、想定しにくいものといえます。
金融庁も「無登録業者との取引は要注意!!」として、同種の請求に注意を促しております。
- すでに指定された口座へ振り込んでしまいました。どのような対応が考えられますか。
-
まず、振込先の口座情報とやり取りの記録を保存したうえで、振込先の金融機関へ状況を申し出ることが第一の選択肢です。
口座の凍結や被害回復分配金の支払については、振り込め詐欺救済法に手続が定められています。
もっとも、口座の残高や経過した時間によっては回収が難しい場合もあり、被害回復が必ず保証されるものではありません。
※本記事の記載内容は2026年8月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

