詐欺で騙されたお金は被害届で返金できる?受理されない理由と正しい対処法

詐欺で騙されたお金は被害届で返金できる?受理されない理由と正しい対処法
この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

詐欺でお金を騙し取られた際、被害届を出しただけで自動的にお金が戻ってくるわけではありません。警察に被害届を提出し、犯人の特定や口座凍結などの条件が整った場合に限り、返金手続きが進むケースがあるのです。

警察は犯人の捜査機関であり、返金を行う機関ではありません。また、すべての詐欺被害が刑事事件として立件されるとは限らず、被害届の受理後も捜査が進まないケースもあります。特にインターネット上で行われる、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺は、相手の特定が難しく、対応が遅れるほど返金が困難になる傾向があります。

しかし、被害に気づいた時点で迅速かつ正しい対処を行えば、返金に向けた手続きに進むための条件を整えられるのです。

本記事では、詐欺で騙されたお金は被害届で返金できるのか、被害届が受理されない理由、返金の可能性を高めるために取るべき行動を分かりやすく解説します。

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目次

詐欺で騙されたお金は被害届で返金可能?

詐欺で騙されたお金は被害届で返金可能?

警察に被害届を出しただけでは、騙されたお金は返金されません。警察の役割は犯罪の捜査と犯人の特定・検挙」であり、返金を行う機関ではないためです

ただし、被害届を提出し刑事記録を残しておくと、その後の返還請求手続きにおいて有効な資料となる可能性があります。

  • 犯人が逮捕された場合、示談交渉が行われる場合がある
  • 警察の捜査記録が、弁護士の返金請求を行う際の有力な証拠になる
  • 振り込め詐欺救済法などに基づき、詐欺に使われた口座を凍結できる可能性がある

被害届は直接お金を取り戻す手段ではありませんが、返還請求を進める際の資料として活用される場合があります。返金を重視するなら、警察への被害届の提出と並行して、弁護士への相談も検討してみてください

返金がどこまで見込めるのか、条件ごとの傾向は投資詐欺の返金は難しい?弁護士への依頼を判断する返金率と事例にまとめています。

被害届が受理されない主な理由

被害届が受理されない主な理由

被害届は原則として受理されますが、証拠が不足などにより、刑事事件として立件されず、実質的に捜査が進まない場合があります。その結果、被害届ではなく「相談」扱いに留まるケースあります。

その結果、被害届ではなく「相談」扱いに留まるケースもあります。警察は多くの事件を扱っているため、立件の見込みを踏まえて慎重に判断される傾向があります。

特に、次のような事情があると、捜査が進まない可能性があります。

  • 詐欺の相手を特定できない
  • 刑事事件ではなく、借金問題などの民事上のトラブルと判断される
  • 被害額が少額と判断される
  • 騙されたことを客観的に示す証拠が不足している

被害届の提出前に、できる限り多くの証拠や相手の情報を整理するのが重要です。

相手を特定できない

相手を特定できないと、受理後も捜査が進まないことがあります警察が捜査を進めるための手がかりがなく、実効性が低いと判断されるからです。

特に、インターネットを利用したSNS投資詐欺やロマンス詐欺などでは、以下のような状況が典型的です。

  • やり取りはLINEや匿名チャットアプリのみ
  • 相手は偽名の可能性が高い
  • SNSのアカウントが削除済み
  • 振込先が個人名義ではなく、外国人名義や合同会社名義

海外サーバーを経由している場合は、捜査に時間がかかったり、追跡が難しくなったりするケースがあります。

そのため、被害届を出す際は、IDやURLなど、少しでも相手の特定に繋がる情報をかき集める必要があります。

被害に気づいた段階で、証拠を保存できれば、立件や捜査が進む可能性が高まります。

刑事事件の可能性が低い

警察が民事上のトラブルや、詐欺として立証が難しいと判断した場合も、刑事事件として扱われません。

警察が介入できるのは犯罪だけであり、最初から相手に騙す意図があったと認められなければ、詐欺罪(刑法246条)は成立しないからです。

次のようなケースは、民事トラブルや、詐欺として立証が難しいと判断される傾向があります。

  • 知人や業者にお金を貸したが返ってこない
  • 契約内容やサービス内容に不満がある
  • 投資当初は実際に配当や利益が出ていた
  • 商品やサービスが一応提供されている

詐欺事件として捜査してもらうには、最初から騙すつもりがあり、虚偽の説明や不正な勧誘があった事実を、客観的な証拠とともに説明する必要があります。

被害額が少額と判断される

被害額が数千円〜数万円程度の場合、警察のリソースの問題から、優先順位が下がり捜査が進まないケースがあります。警察は組織的な詐欺グループの摘発などを優先するため、個人の少額被害は後回しにされがちです。

しかし、少額であっても事件性が認められれば、捜査が進む可能性があります。

  • 同様の手口による被害が多発している
  • SNS広告を用いた悪質な勧誘である
  • 組織的な詐欺の可能性がある

判断基準は金額だけではありません。事件の悪質性や社会的な危険性を具体的に説明し、同様の被害を防ぐ必要性を伝えるのが重要です。

騙されたことを示す証拠が不足している

詐欺罪の立証には、「いつ」「誰が」「どのような嘘をつき」「その結果いくら騙し取られたか」という一連の流れを証明する物証が必要です。警察は客観的な事実確認ができなければ、捜査に着手できません。

証拠として有効なのは、次の通りです。

  • メールやSNSでのやり取り
  • 送金履歴や振込明細
  • 契約内容が分かる資料
  • 詐欺に使用されたWebサイトや広告の画面

些細な情報でも、複数が揃うと事件性を裏付ける材料になります。特に、インターネット上での詐欺では、URLやSNSアカウントを、削除される前にスクリーンショットなどで保存するのが重要です。

被害届を受理してもらうために事前に整えておきたい準備は、投資詐欺に遭ったら警察に相談すべき?被害届の提出に必要な準備をご覧ください。

被害届を返金につなげるために準備すべきこと

騙されたお金を取り返すための被害届の出し方

騙されたお金を取り戻すには、事前に入念な準備をする必要があります。警察官が「これは事件だ」と判断できるように情報を整理し、資料を作成して持ち込む姿勢が重要です。

被害届に必要な情報を整理する

相談する前に、情報を整理しておくと、捜査が進みやすくなります。警察での聴取時間は限られているため、事前に次の情報をまとめておくと説明がスムーズにできます。

項目内容
被害の日時と場所いつ、どこで(自宅のスマホ、PCなど)被害に遭ったか
被害金額と送金方法合計いくらか、銀行振込か暗号資産(仮想通貨)送金か、クレジットカード決済か
相手の情報LINE名、ID、SNSアカウント、電話番号、振込先口座名義、口座番号
やり取りメール・LINE等の履歴
騙された経緯どのような広告を見て、どんな言葉で勧誘され、なぜ信用して送金したのか

被害届以外に今すぐ取れる返金対応

被害届だけでなく、詐欺に気づいた段階で、複数の対応を早急に行いましょう

  • 銀行やクレジットカード会社へ連絡
  • 詐欺に使われた口座の凍結相談
  • 利用したサイトやSNS運営への通報
  • 二次被害(返金詐欺)への警戒

特に、入金から時間が経っていない場合は、銀行対応によって被害拡大を防げる可能性があります。

注意すべき二次被害(返金詐欺)

詐欺被害者を狙った、返金詐欺による二次被害にも注意が必要です。

  • 成功報酬を前払いで請求される
  • 返金手続き名目で追加送金を求められる
  • SNSや広告で個別に連絡が来る

「必ず返金できる」という言葉につられてしまうと、被害がさらに拡大する恐れがあります。冷静に対応し、正規の相談先を利用するのが重要です。

被害に気づいた直後にどう動くかの全体像は、投資詐欺にあったらどうする?警察への相談方法と初期対応の流れを解説が参考になります。

騙されたお金を取り戻すための主な相談先

騙されたお金を取り戻すための主な相談先

詐欺被害の解決には、「犯人の処罰(警察)」と「お金の回収(弁護士)」という2つのアプローチを必要とします。目的に応じて使い分ける、あるいは併用するのが重要です。

警察と弁護士の役割の違い

項目警察弁護士
主な役割犯罪捜査・逮捕返金請求・交渉
返金対応✕(直接は不可)
被害届△(作成・提出サポート)
交渉〇(代理交渉)
民事手続き〇(訴訟・和解対応)

警察への相談は、被害拡大を防ぐことと、犯人への処罰が目的です。最寄りの警察署や、警察相談専用電話「#9110」を利用しましょう。

なお、警察庁や都道府県警察のウェブサイトでは、最新の詐欺手口や注意喚起が公開されています。ご自身の状況がこれらに当てはまるか確認し、引用して説明するのも有効です。

弁護士は依頼者の代理人として、法的根拠に基づき、民事上の返還請求や必要に応じて訴訟提起を行います。特に投資詐欺や国際ロマンス詐欺などでは、こうした手口の対応経験がある弁護士に相談することで、取れる手段を整理しやすくなります。

弁護士によって取扱い分野は異なるため、詐欺被害の返金請求を取扱い分野としているかどうかを確認するとよいでしょう。

1人で抱え込まず専門家に相談する

詐欺被害は一人で悩む時間が長いと、解決のチャンスを逃しやすくなります。時間が経つと、相手方が証拠を隠滅したり、口座から資金を移動させたりする恐れがあるからです。

また、事件として捜査を進めてもらうには、詐欺罪の構成要件を踏まえた説明が求められる場面もあります。どのような嘘があったか、いくら被害が出たかを、事件性が伝わる形で説明する必要があり、ご自身だけで進めるには負担が大きい作業です。

  • 家族や周囲に知られたくない
  • 警察にうまく説明できる自信がない
  • 本当に詐欺なのか確信が持てない

このような不安がある場合は、被害届を出す前に、詐欺事案に詳しい弁護士への相談も有効です。専門家の視点で必要な証拠や、警察への伝え方を整理できれば、その後の対応が大きく変わります

投資詐欺かどうかの見分け方や典型的な手口は、投資詐欺とは?手口・見分け方・被害に遭った場合の対処法で詳しく取り上げています。

弁護士に相談することでできる具体的なサポート

弁護士に相談することでできる具体的なサポート

弁護士に相談すると、被害状況を整理し、返金に向けた具体的な行動を取れます。詐欺被害ではスピードと手順が重要であり、弁護士の介入で対応の幅が大きく広がります

弁護士が行う主なサポート内容は、次の通りです。

  • 被害事実・証拠の整理:どの証拠が重要か、どう説明すれば事件性が伝わるかを整理し、警察に伝えるべきポイントを明確にします
  • 振込先口座の凍結要請:振り込め詐欺救済法に基づき、犯人が使用した銀行口座の凍結を要請します。口座に残高が残っていれば、被害回復分配金を受け取れる場合があります
  • 職務上請求・弁護士会照会による相手方調査:弁護士のみが行える手続きで、携帯電話番号や口座情報から犯人の氏名・住所などを調査します
  • 内容証明郵便の送付:特定した相手に対し、弁護士名義で返還請求の意思を正式に通知します
  • 訴訟提起:交渉に応じない場合は裁判所へ訴訟を提起します。勝訴判決を得られれば、預金や給与などの差し押さえが可能になります

クレジットカードで送金したケースでは、チャージバックが返金の入口になることもあります。カード会社ごとに申請期限が定められているため、明細を確認したうえで早めに相談してください。

ART法律事務所が対応できる範囲

詐欺被害といっても、送金の方法によって取れる手続きは大きく変わります

ART法律事務所が取り扱いの中心としているのは、国内の銀行口座への振込で送金されたケースです。投資詐欺のほか、株式やIPOを名目とした勧誘、SNSを通じた投資グループへの誘導、海外FXを装ったものが該当します。

振込先の口座情報(金融機関名・口座番号・名義)が手元に残っていれば、口座の凍結申請や名義人への返金交渉といった手続きの起点になります。

一方、現金の手渡しや暗号資産、電子マネー・ギフトカードでの支払いは、送金先をたどる手段が限られます。こうしたケースでは、弁護士に依頼するより先に次の窓口へ相談したほうが、解決が早い場合があります。

状況相談先
クレジットカードで決済したカード会社の窓口(チャージバックの申請期限が定められています)
通信販売やサービス契約のトラブル消費者ホットライン「188」
詐欺かどうか判断がつかない警察相談専用電話「#9110」
弁護士費用の負担が難しい法テラス(日本司法支援センター)

被害額についても、手続きにかかる費用と回収の見込みが見合わないケースがあります。ご相談の際に送金方法と被害総額をお知らせいただければ、対応できるかどうかを早い段階でお伝えします。

被害届と返金についてよくある質問

よくある質問(FAQ)
被害届を出せば必ずお金は戻りますか?

被害届を出しただけで返金されるわけではありません。

捜査が進み、犯人が特定された場合に示談が行われるケースや、民事上の返還請求を行えば、返金につながる場合もあります

返金は難しいと感じている段階から何ができるかは、投資詐欺は泣き寝入りするしかない?返金の可能性と今からできる対処法に整理しています。

少額や、まだ詐欺か分からない段階でも相談できますか?

まだ詐欺か分からない段階でのご相談は歓迎です。「出金できない」「追加送金を求められている」といった状況は詐欺の可能性が高く、早い段階で整理しておくほど選択肢は多く残ります。

一方、被害額が少額の場合は、回収できる金額より弁護士費用のほうが大きくなるケースもあります。ご相談の際に送金方法と被害総額をお知らせいただければ、費用倒れの可能性を含めて見通しをお伝えします。

家族に知られずに相談できますか?

はい、ご相談内容は守秘義務により厳重に管理されます。

原則として、第三者に無断で知られることはありません

警察と弁護士、どちらに先に相談すべきですか?

状況によって異なります。

刑事手続と民事手続きは役割が異なるため、返金を重視する場合は弁護士への相談も検討されることをおすすめします。

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※本記事の記載内容は2026年3月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

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