投資詐欺の逮捕事例とは?返金との関係と被害時の対処法

投資詐欺の逮捕事例とは?返金との関係と被害時の対処法
この記事の監修者

弁護士 有田勝浩

ART法律事務所 代表弁護士
所属  :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号

ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

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ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

投資詐欺は刑法上の詐欺罪に該当する可能性があり、警察庁が公表する資料でも逮捕事例が多く報告されています。ただし、犯人が逮捕されたからといって、必ずしも被害金が戻ってくるわけではありません。

本記事では、投資詐欺で逮捕されるケースや実際の事例、返金との関係、被害時の対処法まで解説します。

「これは詐欺なのか判断がつかない」「相手が逮捕されればお金は戻るのか」と悩んでいる方は、まず本記事で全体像を把握したうえで、次の行動を検討してみてください。

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目次

投資詐欺は逮捕される犯罪なのか

投資詐欺は逮捕される犯罪なのか

投資詐欺は刑法第246条の詐欺罪に該当する可能性があり、要件を満たせば逮捕されることもあります。ただし、すべての投資詐欺事件で逮捕に至るわけではありません。

投資詐欺と詐欺罪の関係とは

投資詐欺とは、実在しない金融商品や、安全性・収益性が確認できない仕組みを用いて金銭をだまし取る行為です。刑法第246条は、詐欺罪について「人を欺いて財物を交付させた者に対して10年以下の拘禁刑を科す」と定めており、投資詐欺も詐欺罪として処罰の対象となる可能性があります。

詐欺罪は、以下の要件が証拠によって立証されることで成立します。

  • 人を欺く行為(虚偽の投資話を持ちかける等)
  • 被害者の錯誤(虚偽説明を信じて誤認する)
  • 財物の交付(金銭の振込・暗号資産の送付等)
  • 加害者の故意(だまして利益を得る意思がある)

逮捕に至るまでの一般的な流れ

投資詐欺事件で逮捕に至る一般的な流れは、以下のとおりです。

段階主な内容
①相談・被害申告警察への相談や被害届の提出
②捜査開始犯人グループとのやり取りや、資金の流れなどの捜査
③被疑者特定犯人グループの所在や役割の解明
④逮捕状請求・逮捕裁判所の令状に基づく身柄拘束
⑤送致警察から検察への事件送致
⑥起訴・不起訴の判断検察官による起訴または不起訴の決定

実際には、被疑者特定や証拠収集に時間を要するため、被害発生から逮捕まで数カ月以上を要するケースも少なくありません。

必ず逮捕されるわけではない理由

逮捕に至らないのには、次の要因が挙げられます。

  • 犯人がSNS上の偽名・架空人物で素性が判明しない
  • 海外サーバー・海外口座を経由しており追跡が困難
  • 送金記録や会話履歴などの証拠が不足している
  • 民事的トラブルか刑事事件か、判断が難しい段階にある

警察庁の公表資料でも、「SNS型投資詐欺の認知件数に対して検挙件数は限られている」としており、犯人特定までのハードルが高いことがうかがえます。

そのため、「ひょっとして投資詐欺では?」と感じたら、まずはLINEで問い合わせ、状況を整理してみるのも一つの方法です。

投資詐欺の定義や典型的な手口の全体像は、投資詐欺とは?手口・見分け方・被害に遭った場合の対処法をご覧ください。

投資詐欺で逮捕されるケースの特徴

投資詐欺で逮捕されるケースの特徴

投資詐欺で逮捕に至るケースには、「組織的に行われている」「被害額・被害者数が大きい」「証拠が十分に揃っている」などの特徴があります。

組織的に行われているケース

組織的に行われている投資詐欺は、逮捕されるケースの大きな特徴です。

組織的な犯行は同じ手口で多数の被害者を生み出すため、複数の被害申告が同じ犯人グループに集約されやすく、通信履歴や送金記録から全体像を解明しやすいためです。

たとえば、令和6年7月、大阪市内に拠点を置くSNS型投資詐欺の犯罪グループの一斉摘発により90人が逮捕され、その後同年12月末までに合計107人の被疑者が逮捕されました。

また、複数人で勧誘・メッセージ送信・資金管理などを分担している事案は、組織的犯罪処罰法の適用対象になる可能性があり、より重い処罰対象となる場合もあります。

被害額・被害者数が大きいケース

被害額や被害者数が大きいケースも、以下の理由から逮捕に至りやすい傾向にあります。

  • 同一犯による複数被害が確認しやすい
  • メディアによる報道から情報提供が得られやすい
  • 警察庁の指導下で都道府県警察が連携する「特殊詐欺連合捜査班(TAIT)」の対象となりやすい
  • 国際的な捜査協力が動きやすくなる

警察庁の発表によれば、令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は15,168件、被害額は1,843.3億円に上り、被害額や被害者数は前年から大幅に増加しました。

証拠が十分に揃っているケース

証拠が十分に揃っているケースも、投資詐欺で逮捕に至りやすい典型的なパターンといえます。逮捕には、犯人の特定と詐欺の故意を裏付ける客観的な証拠が重要になるためです。

投資詐欺の捜査では、主に次のような証拠が重視されます。

  • LINE・SNSのトーク履歴やメールなど、やり取りの記録
  • 振込明細や暗号資産の送付履歴など、送金の記録
  • 勧誘資料やウェブサイト画面など、勧誘内容の記録
  • 業者名・所在地・アカウントIDなど、相手側の情報

特に、やり取りの記録や相手側の情報は、アカウント削除やサイト閉鎖で失われてしまいます。少しでも不安を感じた段階で、速やかにスクリーンショットを撮っておきましょう

投資詐欺の逮捕事例から見る手口

投資詐欺の逮捕事例から見る手口

近年の逮捕事例は、「SNS型」「暗号資産型」「海外拠点型」の3つに大別されます。どのような事案が摘発に至っているかを知ることで、捜査が動く条件が見えてきます。

SNS型投資詐欺の逮捕事例と手口

SNSを通じた投資詐欺は、近年、多数の逮捕事例が報告されている手口の一つです。

著名人をかたる広告やなりすましアカウントから接触し、グループチャットへ誘導したうえで出金に応じなくなるという流れが典型例です。

警察庁のSOS47特殊詐欺対策ページでも、これらの手口について注意喚起されています。

暗号資産を利用した逮捕事例と手口

暗号資産を悪用した投資詐欺も非常に多くみられるパターンです。

警察庁のSOS47特殊詐欺対策ページでも、「SNSを使った詐欺の手口で暗号資産の被害が急増している」と注意喚起しています。

暗号資産は匿名性が高く追跡が難しいため、被害が疑われる段階で速やかに警察や弁護士へ相談し、状況を整理しておくことが大切です。

海外拠点型投資詐欺の事例と手口

近年、特に摘発が進んでいるのが、東南アジアなど海外拠点の詐欺グループによる投資詐欺です。

海外拠点型投資詐欺の多くには、次の特徴がみられます。

  • オンラインゲームやSNS経由で日本人を勧誘
  • 入金先は国内協力者名義の口座を使用
  • 拠点が海外のため犯人特定に時間を要する
  • 国際捜査協力により摘発に至るケースも増加している

警察庁の公表資料によれば、近年は東南アジア諸国の捜査機関との連携が強化されており、令和6年12月にはタイ当局が詐欺拠点を摘発し、確保された日本人6人が日本国内に移送されたうえで逮捕されました。令和7年3月には、カンボジア拠点の詐欺事件の首魁が日本警察の情報提供をもとにタイ当局に確保され、日本へ移送後に逮捕された事例もあります。

投資話を持ちかけられ「怪しい」と感じたら、警察相談専用電話「#9110」へ相談することが重要です。

投資詐欺で逮捕と返金は別問題である理由

投資詐欺で逮捕と返金は別問題である理由

投資詐欺で犯人が逮捕されても、被害金が自動的に戻ってくるわけではありません。被害金の返金を目指す場合には、別途民事上の対応を検討する必要があります。

刑事手続と民事手続の違いとは

同じ事件であっても刑事手続と民事手続では、その目的や主体(当事者)、手続きの進め方が異なります。

項目刑事手続民事手続
目的犯人の処罰被害回復
主体警察・検察被害者本人または代理人弁護士
結果懲役・罰金など刑罰損害賠償・返金
手続の進め方捜査機関の判断による被害者側からの請求が必要

つまり、被害金の返金を求めるには、被害者自身が民事上の手続きを進める必要があります。

逮捕されても返金されない場合がある理由

犯人が逮捕されても返金されないケースが多いのは、刑事手続が犯人の処罰を目的としており、被害金の回収を目的としていないためです。

また、以下に挙げる事情が返金を難しくします。

  • 被害金が既に海外送金・暗号資産化されており、追跡が困難
  • 犯人グループ内で資金が分散され、犯人個人に返金資力がない
  • 受け子・出し子など末端メンバーのみ逮捕され、主犯が特定されない
  • 没収・追徴対象となった財産だけでは被害総額に届かない

なお、被害金の返還を支援する公的制度として、以下の2つが用意されています。

制度所管原資
振り込め詐欺救済法による被害回復分配金金融機関・預金保険機構凍結された犯人口座の残高
被害回復給付金支給制度検察庁没収・追徴された犯罪被害財産

いずれの制度も、原資となる資金が残っていることが前提のため、回復できる金額は限られる場合があります。そのため、被害者自身が早期に民事上の手続きを検討することが重要です。

民事手続で回収がどこまで見込めるのか、条件ごとの傾向は投資詐欺の返金は難しい?弁護士への依頼を判断する返金率と事例にまとめています。

投資詐欺の被害に遭った場合の対処法

投資詐欺の被害に遭った場合の対処法

投資詐欺の被害に気づいたら、追加被害の防止と証拠保全を最優先に行い、すぐに警察や弁護士へ相談しましょう。

まずは追加の送金を止める

被害に気づいた段階でまず行うのは、追加送金を止めることです。投資詐欺の手口では、出金時に「税金」「保証金」「手数料」などの名目で送金を求めるケースが多くみられるからです。

具体的には、以下のような対応が考えられます。

  • 追加送金を求められても応じない
  • ネットバンキングの送金予約・自動送金を解除する
  • すでに振込送金している場合は金融機関と警察へ連絡する(※)

振り込め詐欺救済法による被害金の分配を受けられる可能性があるため

「もう一度送金すれば出金できる」という言葉に応じると、被害が拡大するおそれがあります。まずは送金を止め、客観的に状況を整理することが被害回復への第一歩です。

早急に証拠を保全する

投資詐欺の被害対応では、早急な証拠保全が重要です。優先的に確保しておきたい証拠は以下のとおりです。

証拠の種類保全方法
やり取りの記録スクリーンショット・チャット履歴の保存
送金記録振込明細・取引履歴の保存
勧誘内容投資資料・サイト画面の保存
相手の情報アカウント名・連絡先・プロフィール

これらの証拠は、警察への被害申告や民事上の返還請求で必要になります。原本に近い形(スクリーンショットや画面録画)で保存し、日付がわかるよう整理しておきましょう。

警察に被害届を提出する

証拠保全ができたら警察へ被害届を提出します。被害届を提出することで、刑事事件として捜査が始まる可能性があるほか、捜査機関による口座凍結を通じて被害金の流出を抑える効果も期待できるからです。

警察へ相談する際の主な窓口として、以下が挙げられます。

なお、警察は刑事捜査を行う機関のため、被害金の返金交渉は対応範囲外です。

被害に気づいた直後の初期対応から警察相談までの流れは、投資詐欺にあったらどうする?警察への相談方法と初期対応の流れを解説が参考になります。

返金を目指す場合は、次に述べる弁護士への相談が選択肢になります。

弁護士に相談する

刑事手続と並行して、弁護士への相談も検討しましょう。弁護士は代理人として、被害回復に向けた具体的な対応を行うことができます

弁護士に相談する主なメリットは、次のとおりです。

  • 法的観点から状況を整理してもらえる
  • 振込先口座の凍結へ向けた対応を依頼できる
  • 加害者特定・返還請求の交渉を任せられる

まず、LINE相談で抱えている不安や悩みをお聞かせください。状況を伺ったうえで、取り得る選択肢をご案内します。

投資詐欺と逮捕に関するよくある質問

投資詐欺と逮捕に関するよくある質問
犯人が逮捕されれば被害金は自動的に返ってきますか

逮捕されても、被害金が自動的に返ってくるわけではありません。

刑事手続は犯人を処罰するための手続であり、被害金の返金を目的としていないためです。被害金の返金を目指す場合、被害者自身による民事手続を検討する必要があります。

加害者が特定できていなくても弁護士に相談できますか

加害者が特定できていなくても相談可能です。

投資詐欺では、相手がSNS上の偽名や架空人物であるケースが大半で、被害発生時点では犯人を特定できないケースも少なくありません。弁護士は、やり取りの記録や送金履歴などから手がかりを整理し、振込先口座の凍結申請や情報照会など、加害者特定に向けた手続をサポートできます。

なお、加害者が特定できていない状態でも時効は進行します。期限の考え方は投資詐欺の時効は何年?返金請求の期限と諦める前の選択で詳しくお伝えしています。

詐欺かどうか確信がない段階でも相談していいですか

詐欺か確信がない段階でも相談可能です。

弁護士事務所には、「単なるトラブルなのか詐欺なのか判断できない」という段階でのご相談が多く寄せられています。弁護士に状況を整理してもらうことで、詐欺の典型的な手口に該当するかどうか、今後どのような行動を取るべきかが見えてきます。判断材料を得るための相談として活用いただけます。 

警察に被害届を出していなくても弁護士は対応できますか

被害届の提出前でも弁護士へ相談・依頼することが可能です。

「詐欺かどうか判断できない」「警察へ行くべきか迷っている」といった段階で相談されるケースも数多くあります。

状況によっては、弁護士が被害届の作成サポートや警察対応の同行を行うこともあります。また、証拠を整理した状態で警察に申告した方が、警察も犯人像や手口を把握しやすくなり、捜査が進みやすくなる可能性もあるため、先に弁護士へ相談するのも選択肢の一つです。

海外にいる相手にも法的対応はできますか

相手が海外にいても、日本国内に手がかりがあれば法的対応できる可能性があります。対応を検討しやすいのは、主に以下のようなケースです。

  • 国内口座へ被害金が送金されている(日本国内で口座凍結や返金請求を進められる)
  • 日本国内に関係会社や代理人、運営拠点が存在する
  • 国内の出し子・口座名義人・勧誘役など、日本国内の関与者が判明している

ART法律事務所では、投資詐欺に関するご相談をLINEで受け付けています。弁護士には法律上の守秘義務が課されていますので、まずは気軽にお問い合わせください。

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※本記事の記載内容は2026年5月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

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