
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
このたびご相談者様より、Facebookのメッセンジャーを通じて「Brian」と名乗る人物から個人的に接触を受け、その後やり取りの場をメッセージアプリLINEへと移し、投資の話題が日常会話の延長として持ち込まれていく中で、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」への登録と暗号資産(仮想通貨)の送金を案内されたという経過のご相談をお預かりしました。
送金は、国内の暗号資産交換業者であるコインチェックにおいて日本円をETH(イーサリアム)に交換したうえで、案内された宛先へ行ったとのことです。
サイト上では、取引のたびに利益が発生しているかのような表示が継続的に確認されていたものの、ある日を境に「Brian」と名乗っていた人物との連絡が途絶え、ご自身で警察にご相談された結果、本件が投資詐欺によるものであるとの認識に至られたとの内容です。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
本記事は、被害の拡大防止と注意喚起を目的として、当該情報提供を行った事実、ならびにご相談内容の概要および当事務所による独自の調査結果をご報告するものです。
なお、本記事は事実の整理および注意喚起を目的としたものであり、特定の取引につき法的判断を確定的に示すものではない点、あらかじめお断りいたします。

- Facebookのメッセンジャー上で個人的なやり取りを起点とし、その後LINEへ連絡手段を移行したうえで投資勧誘へと展開する、二段階のSNSをまたぐ接触構造が確認されています。
- 国内の暗号資産交換業者であるコインチェックにおいて日本円をETH(イーサリアム)に交換のうえ、案内された宛先へ送金する形で資産が外部へ移転され、その後突如として相手方との連絡が途絶えた経過が確認されています。
- 実在する株式会社コムテックスから、自社の英字表記「COMTEX」に類似するアカウント名による暗号資産取引の勧誘事例について公式の注意喚起が行われており、同社は暗号資産の取り扱いを行っていない旨が表明されています。
「COMTEX(コムテックス)」に関する情報提供の概要

ご相談者様からお預かりした事実関係をもとに、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ、当事務所より以下の事項を整理して提出いたしました。
提供にあたっては、ご相談者様より共有いただいた取引用サイトのURL、ならびにFacebookのメッセンジャーおよびLINE上での相手方とのやり取りの状況を、可能な範囲で体系的に整理しております。

上記画面では、「COMTEX」のロゴと「START SECOND CONTRACT」「Start smart second contract trading immediately」との英文表示が中央に配置され、デジタル資産取引のプラットフォームであるかのような体裁が整えられた構成となっています。ログイン画面に進む導線が用意されている一方で、ログイン前の画面においては、運営会社の所在地・代表者・登録情報といった事業者情報の詳細を確認することはできませんでした。
| サイト名 | COMTEX(コムテックス/なりすまし) |
| グループLINE名 | グループLINEへの誘導は確認されておりません(相手方との個別のLINEを通じたやり取りが確認されています) |
| SNSの種類 | Facebookのメッセンジャー(その後LINEへ移行) |
| 偽広告等を特定するための情報 | 広告経由ではなく、Facebookのメッセンジャー上で「Brian」と名乗る人物から個人的に接触を受けた経過が確認されています。 |
| 偽広告等の概要 | Facebookのメッセンジャー上での日常会話を起点として連絡手段がLINEへ移行され、やり取りを重ねる中で投資の話題が次第に持ち込まれた経過の後、取引用サイト「COMTEX」のダウンロードおよび登録、ならびに暗号資産(仮想通貨)の送金を案内された旨のご相談が寄せられています。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | 株式会社コムテックス |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | https://www.comtex.co.jp/information/6612/ (株式会社コムテックス 2025年6月23日付お知らせ「当社に類似した不審なSNSアカウント等にご注意ください」) |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | なし |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | なし |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | 偽サイト名:COMTEX(なりすまし) 偽サイトのURL:comtexy.cyou |
⇒COMTEX(コムテックス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
実際に寄せられた相談内容

本件のご相談者様には、Facebookのメッセンジャーに突然届いた一通のメッセージから、ご自身で詐欺被害に遭われていたことを確信されるまでの経過を、お話しいただきました。事実関係を整理し、起こった出来事を時系列に沿ってご紹介いたします。
- Facebookのメッセンジャー上で、「Brian」と名乗る人物より突然連絡が入り、当初は投資とは関係のない日常会話のやり取りが続いた
- 「Brian」より「連絡を取りやすくしたい」との申し出を受け、連絡手段をLINEへ移行し、以後はLINE上でやり取りが行われるようになった
- LINE上でのやり取りを重ねる中で、投資に関する話題が徐々に持ち込まれるようになり、「Brian」自身は「投資のみで生活している」などと説明していた
- 「Brian」から勧誘を受け、ご相談者様は少額から投資を始めることとなった
- 「Brian」より、別途、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」のダウンロードおよび登録を指示され、案内に従って登録手続きを行った
- 投資の元本は、ご相談者様ご自身が、国内の暗号資産交換業者であるコインチェックに日本円を入金したうえで、コインチェック内でETH(イーサリアム)に交換し、「Brian」から指定された宛先へ送金する方法で行われた
- サイト上では、取引を行うたびに利益が発生しているかのような表示が継続し、資産が増加しているような認識が形成されていった
- ある時点を境に、突然「Brian」と連絡が取れなくなる事態が生じ、ご相談者様は強い不審を抱かれることとなった
- 警察へご自身でご相談されたところ、本件が投資詐欺による被害であると認識されるに至った
本件の入口は、Facebookのメッセンジャー上に突然届いた一通の連絡でした。発信元との間に、それまで面識や接点があったわけではなく、最初の段階では投資とは無関係な日常的な話題のやり取りが続いていた点に、本件の特徴的な一面が表れています。
会話を重ねる中で、相手方より「連絡を取りやすくしたい」との申し出があり、Facebookのメッセンジャーから、より身近に使われやすいメッセージアプリLINEへと連絡手段が移されました。
プラットフォームを変えるという行為自体は、SNS利用者のあいだで日常的に行われている操作であり、ご相談者様の側から見ると、特段、不自然な手続きとして受け止められる場面ではなかったものと推察されます。
LINE上でのやり取りが続いていく中で、相手方からの話題に、投資に関するものが少しずつ含まれるようになっていきました。相手方は、ご自身について「投資のみで生活している」と説明しており、こうした自己紹介は、その後の投資勧誘の場面に向けた、相手方の人物像の枠組みづくりとして機能していた側面があるものと考えられます。
勧誘を受けたご相談者様は、まず少額からの投資を始められました。その後、相手方より、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」のダウンロードおよび登録を案内され、ご相談者様は指示に従って登録の手続きを進められました。
投資の元本については、ご相談者様ご自身が国内の暗号資産交換業者であるコインチェックを利用し、銀行口座から日本円を入金したうえで、画面上の操作によって日本円をETH(イーサリアム)へと交換し、案内された宛先へ送金するという経路を辿られています。
送金の操作自体は、ご相談者様ご自身が、国内の登録業者の画面上で行われているため、操作の各段階においては、第三者の関与が表面化しにくい構造となっていた点も、本件の特徴のひとつです。
サイト「COMTEX」上では、取引を行うたびに利益が積み上がっていくかのような表示が続き、ご相談者様としては、資産が順調に増加しているとの認識を持たれるに至りました。画面上に表示されている数値の動きを通じて、投資が滞りなく機能しているような認識が形成されていく経過が確認されています。
ところが、ある時点を境に、それまで継続的にやり取りを重ねていた「Brian」と名乗る人物との連絡が、突然取れなくなる事態が生じました。それまで身近に存在していたはずの相手方が連絡経路から消失することで、ご相談者様の手元には、サイト「COMTEX」の画面に表示された残高と、すでに送金を終えたETHのみが残されることとなり、強い不審を抱かれる場面となりました。
ご相談者様は、ご自身で警察へ相談に行かれ、警察での対応の中で、本件が投資詐欺による被害であるとの認識に至られ、当事務所へのご相談につながった次第です。
⇒「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトについて気がかりな点がある方は、ART法律事務所の公式LINEまでお問い合わせいただけます
COMTEX(コムテックス)を名乗る取引用サイトに見られる手口の特徴

当事務所にお寄せいただいたご相談内容を改めて整理してまいりますと、「COMTEX」を名乗る取引用サイトに関連する本件の経過には、以下のような特徴が見受けられます。
- SNS広告等の媒体経由ではなく、Facebookのメッセンジャー上での個別の連絡を起点とする、相手方からの直接の接触を入口とする構成
- 初期段階では投資とは無関係な日常会話が継続される、いわゆる「関係性の構築」を先行させる経過
- 「連絡を取りやすくしたい」との文言を介して、FacebookのメッセンジャーからメッセージアプリLINEへと、より身近な連絡手段への移行が促される段階的な誘導
- 相手方が自らを「投資のみで生活している」と説明することによって、投資に成功した個人としての人物像を提示する自己紹介
- グループLINEへの誘導や、複数人による役割分担を伴う運営体制ではなく、相手方との個別のやり取りのみで進行する閉じた一対一の構成
- 国内の登録業者であるコインチェックを介して、日本円をETH(イーサリアム)へ交換のうえ、案内された宛先へ送金させる、暗号資産を経由した資産移転の経路
- 取引用サイト「COMTEX」上での利益表示の継続によって、資産が増加しているとの認識を形成する画面構成
- 「出金時の追加支払い」を求める形ではなく、相手方が連絡経路から突如として消失することで終局を迎える経過
- 実在する日本の事業者である株式会社コムテックスの英字表記と類似した「COMTEX」の名称が、取引用サイトの名称として用いられている点
本件において特に着目される第一の点は、Facebookのメッセンジャー上での個別の連絡から始まり、関係性の構築を経たうえで投資勧誘へと展開していく、段階的な接触の経過です。SNS上の広告を起点として、不特定多数の関心層を取引用サイトへ誘導する構成と比較してみますと、本件の経路は、特定の個人を相手方として、人と人とのやり取りを丁寧に積み重ねる方向に重心が置かれている点に、構造的な違いが見られます。
こうした個別接触型の経過においては、初期段階で投資の話題が前面に出されることはなく、まずは投資とは関係のない日常会話を相応の期間にわたって継続することによって、相手方との間に親しみや信頼感に近い関係性が形作られていくことになります。投資勧誘の話題が持ち込まれる段階に至った時点では、相手方は、すでに「見知らぬ人物」ではなく、ある程度のやり取りを重ねた知り合いとして認識されているという経過が、後の判断に影響を及ぼす場面が生じやすい構造となっています。
第二に注目されるのは、連絡手段の移行に関する段階的な経路です。「連絡を取りやすくしたい」という、それ自体には特段の不自然さを感じにくい文言を介して、Facebookのメッセンジャーから、より個人的な連絡手段として用いられることの多いLINEへと、やり取りの場が移されています。連絡手段の切り替えは、SNS利用者のあいだで日常的に生じている操作であるため、移行そのものに警戒を抱きにくい性質を持ちます。
もっとも、結果として見たときには、Facebookのメッセンジャー上では残されていたはずの初期のやり取りの記録が、別のアプリ上での会話に置き換えられていく経過となっており、相手方とのやり取りの全体像を後から振り返って確認する際の経路に、複数のアプリにまたがる断絶が生じる構造ともいえます。
第三の特徴として、相手方が自らを「投資のみで生活している」と説明する自己紹介の存在が挙げられます。投資のみを生計の手段とする立場であるという説明は、相手方を「投資について語る正当性を有する人物」として位置付ける役割を果たすとともに、その後に展開される投資勧誘について、知識や経験に裏付けられたものであるかのような印象を、聞き手の側で形成しやすくする側面があります。
もっとも、相手方の経歴・職歴・収入源等について、ご相談者様の側で客観的に確認することができる材料は、原則として、本人の口頭での説明以外には存在しません。一方的な自己申告のみによって人物像が共有される構造は、関係性の進展に伴って次第に違和感を抱きにくくなる性質を持ちます。
第四に挙げられるのは、暗号資産(仮想通貨)を介した送金経路です。本件において、投資の元本は、ご相談者様ご自身が国内の登録業者であるコインチェックを利用して、日本円をETH(イーサリアム)に交換のうえ、案内された宛先へ送金するという形で外部へ移転しています。
暗号資産による送金は、国内の銀行口座間の振込とは異なる仕組みのもとで処理されます。送金の宛先が、国内の事業者によって管理されているアカウントではなく、ブロックチェーン上のアドレスとなる場合、いったん送金が完了した時点で、当該資産は宛先のアドレスを管理する者の支配下に置かれることになり、送金元の側から事後的に取消しを行うことは原則として困難となります。本件においては、こうした性質を持つ暗号資産の送金経路が用いられている点が、構造的な特徴として挙げられます。
本件のように、SNS上の個別の連絡を起点として、日常会話の積み重ねの後に投資勧誘へと展開し、暗号資産を経由した送金が案内されるという構成は、SNS型投資詐欺の事案として近時繰り返し報告されている類型のひとつと、構造上の共通性を有するものと考えられます。一方的な自己申告のみに基づく相手方の人物像と、銀行口座を経由しない送金経路とが組み合わされたときに、ご相談者様の側で取り得る確認手段が限定的なものとなりやすい点に、本件における留意すべき特徴があるといえます。
第五の特徴は、出金の段階に追加の支払いを求められる経過ではなく、相手方が連絡経路から突如として消失することによって被害が顕在化している点です。出金時に「税金」「保証金」「サービス料」等の追加支払いを求める手口が、SNS型投資詐欺においては繰り返し報告されておりますが、本件においては、そうした段階的な追加要求の経過には至らず、相手方との連絡が一方的に途絶える形で、終局の局面を迎えています。
連絡の途絶という形での終局は、ご相談者様の側から見たときに、最後の判断材料を失ったうえで、対応の選択肢を模索しなければならない状況に置かれることを意味します。やり取りの相手方が消失しているため、これまでに発生した事象についての説明を相手方に求めることはできず、サイト「COMTEX」上に表示されている残高についても、操作の正当性を確認する手段が手元から失われた状態となります。
第六の特徴として、なりすまし対象の構造があります。本件において「COMTEX」という名称は、実在する日本の事業者である株式会社コムテックスの英字表記と類似する形で、取引用サイトの名称として用いられています。なりすまし対象企業の正規の事業内容については、独立した項目において後述いたします。
⇒同様の経過にお心当たりのある方は、ART法律事務所の公式LINEまでご状況をお寄せいただけます
当事務所による独自調査の結果

本件「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトについて、当事務所において以下の観点から独自に調査を行いました。ご相談者様の状況の整理および、同種の事案にお心当たりのある方への注意喚起の参考として、調査結果をご報告いたします。
偽サイト「comtexy.cyou」のWhois情報
ご相談者様より共有いただいた偽サイトのドメイン「comtexy.cyou」につきまして、公開Whois情報の確認を行いました。確認できた登録情報の概要は、以下のとおりです。
| ドメイン名 | comtexy.cyou |
|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年3月25日 |
| 更新日(Updated Date) | 2026年3月30日 |
| 有効期限(Registry Expiry Date) | 2027年3月25日 |
| 運用期間 | 約48日(2026年5月12日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID:1923) |
| 登録者情報 | 登録者の氏名・組織名・住所・連絡先等は公開Whois情報上に記載がなく、プライバシー保護により非公開とされていることが確認されています。 |
| ネームサーバー | AMY.NS.CLOUDFLARE.COM CLEO.NS.CLOUDFLARE.COM |
| ドメインステータス | serverTransferProhibited clientTransferProhibited |
上記のWhois情報からは、本件で確認された偽サイトのドメイン「comtexy.cyou」に関して、以下の点が客観的に読み取られます。
- ドメインの登録から日が浅い:本件のドメインの登録日は2026年3月25日であり、ご相談を受けた時点(2026年5月12日)からさかのぼると、運用が開始されてから約48日(おおむね1か月半)が経過した段階にあるドメインであることが確認されます。
- 登録者の個別情報がWhois上に記載されていない:登録者の氏名・組織名・住所・電話番号・メールアドレスといった個別の連絡先情報は、Whoisの公開項目上には記載がなく、プライバシー保護のもとで非公開とされている状態です。サイト上で「COMTEX」の名称が用いられている一方で、当該ドメインを実際に登録・運用している者の氏名や所在を、ドメイン情報の公開項目から特定することはできない状態となっています。
上記の各事項は、それぞれを単独で取り出して見たときには、直ちに問題のあるドメインであることを意味するものではございません。もっとも、ご相談者様が、Facebookのメッセンジャー上で個別に接触された相手方の案内に従って暗号資産(仮想通貨)を送金された取引用サイトの所在先ドメインとして、これらの要素を併せて見たときには、運営主体の実態や、当該主体の背景に関する情報を、利用前の段階で利用者の側から独立に確認することが構造的に困難となっている点に、留意が必要であると考えております。
株式会社コムテックス(正規)と本件取引用サイトとの相違点
本件で「COMTEX」という英字表記が用いられている取引用サイトは、実在する商品先物取引業者である株式会社コムテックスの名称と類似する形となっています。同社の公開情報をもとに、企業概要および本件取引用サイトとの相違点について、ご相談者様や同種の経過にお心当たりのある方の状況のご整理に資するよう、以下のとおり整理いたします。
株式会社コムテックスの公式ウェブサイト(https://www.comtex.co.jp/)に掲載されている会社概要によれば、同社は1955年(昭和30年)4月15日に設立された商品先物取引業者であり、大阪市西区に本社を置く法人です。事業内容としては、第一種金融商品取引業(商品関連市場デリバティブ取引の取次業務)、商品先物取引業(取引所における上場商品の売買および受託業務)、生命保険・損害保険募集業務が公表されており、登録番号は近畿財務局長(金商)第406号です。
株式会社コムテックスは、後述する2025年6月23日付の自社のお知らせにおいて、暗号資産(仮想通貨)の取り扱いは無い旨を明示しており、暗号資産取引に関連するサービスは、同社の事業の対象外であることが、公式に表明されています。
以上を踏まえ、株式会社コムテックスと本件で確認された取引用サイトとの相違点を、以下のとおり対比表に整理いたします。
| 比較項目 | 正規:株式会社コムテックス | 本件で確認された取引用サイト |
|---|---|---|
| 事業内容 | 第一種金融商品取引業(商品関連市場デリバティブ取引の取次業務)/商品先物取引業/生命保険・損害保険募集業務 | 「デジタル資産取引プラットフォーム」を称する体裁のもと、暗号資産(仮想通貨)取引が案内される構成 |
| 暗号資産の取り扱い | 取り扱いは無い旨が、同社の2025年6月23日付お知らせにおいて公式に表明されています。 | ETH(イーサリアム)の送金が案内された経過が、本件のご相談において確認されています。 |
| 所在地 | 大阪市西区阿波座1丁目10番14号 堂島取引所ビル2F(大阪本社)/東京・福岡にも拠点を有する | 運営主体に関する所在地情報は、公開Whois情報上では確認できません。 |
| 登録・許認可 | 近畿財務局長(金商)第406号/日本商品先物取引協会加入/日本証券業協会加入 | 登録番号や監督機関に関する記載は、確認時点のサイト上では確認できません。 |
| 設立 | 1955年(昭和30年)4月15日 | サイトの所在先ドメイン「comtexy.cyou」の登録日は2026年3月25日 |
| 公式サイトのドメイン | comtex.co.jp(.co.jpは日本国内に登記された会社のみが取得可能なドメイン) | comtexy.cyou |
| SNS等を介した個別の投資勧誘 | 後述する公式の注意喚起において、SNSやメッセージアプリを通じた暗号資産取引の勧誘は、同社の行為とは一切の関わりがないことが表明されています。 | Facebookのメッセンジャー上での個別の連絡を起点とした投資勧誘の経過が、本件のご相談において確認されています。 |
株式会社コムテックスは、商品先物取引および第一種金融商品取引業を主たる事業とする法人であり、暗号資産取引については、同社自らが公式に取り扱いを行っていない旨を表明しています。本件で確認された取引用サイトの利用形態(Facebookのメッセンジャー上での個別接触を入口として、コインチェックを経由したETH送金へと展開する経路)は、株式会社コムテックスが公開している事業内容とは、業態そのものが異なる性質のものです。
また、株式会社コムテックスの公式サイトのドメインは「comtex.co.jp」であり、本件で確認された取引用サイトのドメイン「comtexy.cyou」とは、文字列・トップレベルドメイン(.co.jp/.cyou)の双方の点において、別個のドメインであることが確認されています。
株式会社コムテックスによる公式の注意喚起
本件で名称が用いられているなりすまし対象企業である株式会社コムテックスからは、自社の英字表記「COMTEX」に類似するアカウント名による暗号資産取引の勧誘に関して、公式の注意喚起が、2025年6月23日付で公開されています。当事務所において確認できた一次情報の概要は、以下のとおりです。
| 発出元 | 株式会社コムテックス |
|---|---|
| 表題 | 当社に類似した不審なSNSアカウント等にご注意ください |
| 発出日 | 2025年6月23日 |
| 掲載場所 | 株式会社コムテックス 公式ウェブサイト「お知らせ」欄 |
| 原文URL(一次ソース) | https://www.comtex.co.jp/information/6612/ |
株式会社コムテックスによる2025年6月23日付のお知らせでは、同社英字表記「COMTEX」に類似するアカウント名で、SNSやメッセージアプリ(LINE等)を通じて暗号資産(仮想通貨)取引の勧誘を行う事例が確認されているとの認識が示されています。同お知らせにおいては、これらの勧誘行為と同社との関係性について明示的に整理されており、また、同社自身が暗号資産の取り扱いを行っていない旨も、あわせて表明されています。
本件のご相談者様の経過は、Facebookのメッセンジャー上での個別接触を起点とし、その後、連絡手段がLINEへと移行され、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」のダウンロード・登録および暗号資産(ETH/イーサリアム)の送金が案内される、というものでした。この経過は、株式会社コムテックスが公式の注意喚起において言及している、「SNSやメッセージアプリ(LINE等)を通じた暗号資産取引の勧誘」という構成と、入口および送金対象の双方の点で、構造的に共通する側面を持つ事案として位置付けることが可能です。
こうした公式の注意喚起が、すでに2025年6月23日の段階で公開されていたという事実は、ご相談者様が本件のような経過に接された際に、ご自身の状況と照らし合わせるための独立した参照情報が、なりすまし対象企業の側から提供されていたことを意味します。同様の経過にお心当たりのある方におかれましては、上記の公式注意喚起の内容を、ご自身が遭遇された状況と照らし合わせていただくことで、置かれている状況のご整理にお役立ていただけるものと存じます。
なりすまし対象とされる事業者の側から、すでに公式の注意喚起が発出されているという事実は、当該事業者の側で、自社名称が自社の関与しない場面で用いられている事象を認識している旨を、公的に表明するものです。本件のご相談内容と当該注意喚起の内容には、SNS・LINEを介した暗号資産取引の勧誘という共通する構造が見受けられ、ご相談者様の状況を整理される際の参考材料となる第一次情報の存在として、留意に値する事項と考えております。
同名称を用いた別ドメインの存在について(参考情報)

当事務所において、本件のご相談内容を整理する過程で、公開情報の確認を進めましたところ、本件でご相談いただいた偽サイト「comtexy.cyou」とは別に、「comtexz.cc」というドメインのもとで、同じく「COMTEX」の名称を用いた取引用サイトが運用されている事象を確認いたしました。
当該「comtexz.cc」に関する情報は、本件のご相談内容に直接含まれているものではなく、当事務所が金融庁の情報受付窓口に提出した情報提供の対象範囲にも含まれておりません。もっとも、ご相談者様や、同種の経過にお心当たりのある方が状況を整理される際に、知っておかれることで状況把握の助けとなる可能性がある参考情報として、本記事中において併せてご紹介いたします。
なお、本件の偽サイト「comtexy.cyou」と参考情報として取り上げる「comtexz.cc」との関係について、両ドメインの運営主体が同一であるか、あるいはそれぞれ異なる主体によるものであるかを、Whois情報の一般公開項目のみから断定的に判断することは困難です。以下の対比は、公開情報を客観的に並記することのみを目的としたものであり、両者の関係について特定の結論を示す趣旨のものではない点を、あらかじめお断りいたします。
| 比較項目 | 本件の偽サイト「comtexy.cyou」 | 参考:別ドメイン「comtexz.cc」 |
|---|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年3月25日 | 2025年9月16日 |
| 有効期限(Expiry Date) | 2027年3月25日 | 2026年9月16日 |
| 運用期間 | 約48日(2026年5月12日時点) | 約238日(2026年5月12日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID:1923) | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID:1923) |
| ネームサーバー | AMY.NS.CLOUDFLARE.COM CLEO.NS.CLOUDFLARE.COM | AMY.NS.CLOUDFLARE.COM CLEO.NS.CLOUDFLARE.COM |
| 登録者情報 | 公開Whois情報上に個別の登録者情報の記載はなく、プライバシー保護により非公開 | 公開Whois情報上に個別の登録者情報の記載はなく、プライバシー保護により非公開 |
| トップレベルドメイン | .cyou | .cc |
両ドメインの公開Whois情報を並べてみますと、レジストラ(同一)、レジストラのIANA ID(同一)、ネームサーバー(同一のCloudflareネームサーバーが二つとも一致)、登録者情報の非公開化方針といった項目について、外形的な共通点が認められます。一方で、登録日には半年以上の差があり、運用期間および有効期限の時期も異なるため、両者を直ちに同一の運用上の単位として位置付けることのできる材料は、公開Whois情報の範囲では確認されません。
もっとも、いずれのドメインについても、登録者の氏名・住所・連絡先といった個別の情報はプライバシー保護等を理由に非公開とされているため、これらの外形的な共通点が、同一の運営主体による複数ドメインの並行運用を意味するものであるのか、あるいは類似する手法を用いる別個の運営主体によるものであるのかについて、公開Whoisの情報のみから断定的に結論付けることはできません。
同種のドメイン取得サービスやネームサーバーが、複数の異なる利用者によって用いられること自体は、一般的にも生じ得る事象であるためです。
「COMTEX」という同一の名称を冠した取引用サイトが、複数の異なるドメイン上で確認されているという事象自体は、ご相談者様や同種の状況に置かれる方々にとって、留意すべき側面を含んでおります。検索エンジン等を通じてサイト名のみで情報収集を行った場合に、ご相談者様が実際に接された取引用サイトと、外形上は同一の名称を持つ別のドメインの情報とが混在して提示される可能性があり、ご自身が遭遇された具体的なURLとの照合を行いやすい形で状況をご整理いただくことが、有用な選択肢となる場面が考えられます。なお、上記対比はあくまで公開情報の客観的な並記であり、両ドメインの関係性について特定の結論を示すものではない点については、改めて申し添えます。
以上を踏まえ、本記事における「comtexz.cc」への言及は、あくまで本件のご相談内容と関連する可能性のある参考情報としてご紹介するものであり、当該ドメインの運営主体が本件と同一であると断定する趣旨のものではありません。同様の名称を含むドメイン上の取引用サイトに接された経験のある方におかれましては、ご自身が遭遇された具体的なURLを手元の記録と照合のうえ、状況のご整理にあたっての参考情報のひとつとしてご活用いただければと存じます。
⇒「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトに関するご状況のお聞き取りを、ART法律事務所の公式LINEにて承っております
当事務所の対応およびご相談のご案内
ART法律事務所では、SNSを入口として進行する投資関連のご相談を、継続的にお受けしております。
本件「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトに関する事案のように、Facebookのメッセンジャー上での個別の連絡を起点としてLINEへ連絡手段が移行され、その後、案内に従って国内の暗号資産交換業者を経由し、暗号資産(仮想通貨)を外部のアドレスへ送金された経過にあるご相談につきましても、お話を伺いながら、現時点で取り得る対応の整理を一緒に進めていくことが可能です。
以下のような状況にお心当たりのある方は、ご状況のご整理の一助として、お気軽にご相談ください。
- Facebookのメッセンジャー上で、面識のない人物から突然連絡を受け、日常会話を経て連絡手段がLINEへ移行された経過がある
- やり取りを重ねる中で、相手方より「投資のみで生活している」「自分が利益を出している方法を教える」といった内容で投資勧誘を受けた
- 相手方より、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」のダウンロードおよび登録を案内され、指示に従って登録の手続きを進めた
- 国内の暗号資産交換業者(コインチェック等)において日本円をETH(イーサリアム)等の暗号資産に交換のうえ、相手方から指定された宛先へ送金された経験がある
- 取引用サイト上では利益が発生しているかのような表示が継続していたが、ある時点を境に、相手方と連絡が取れなくなった
- 「COMTEX」の名称が用いられた、別のドメイン(例:comtexz.cc 等)の取引用サイトに接された経験があり、ご自身の状況の整理に迷いがある
- 同種のSNS経路や勧誘経過に身に覚えがあり、現在のご状況にご不安を感じておられる
SNSや暗号資産を介した投資関連の事案におきましては、追加の入金や追加の暗号資産の送付をいったん止めること、ならびに関連する記録(Facebookのメッセンジャーのやり取り、LINE上のトーク履歴、取引用サイトの画面キャプチャ、コインチェック等の登録業者における取引履歴、送金先アドレス・トランザクションIDに関する記録等)をできる限り保全しておくことなど、初動の段階でのご対応が、その後取り得る選択肢の幅に影響を及ぼす場面が生じます。
とりわけ、暗号資産(仮想通貨)を介した送金が含まれている事案におきましては、送金先のブロックチェーン上のアドレスやトランザクションの記録は、暗号資産特有の調査を行う際の基礎となる材料です。お手元の取引履歴や、相手方とのやり取りの中で受け取られた送金先情報等につきましては、削除や上書きが行われる前に、お早めにスクリーンショット等の形で保全されることが、状況のご整理にあたっての一助となり得ます。
早めの段階で弁護士等の第三者にご状況をご共有いただくことで、現時点で選び得る対応の整理がしやすくなる場合がございます。ただし、こうした初動対応をもってしても、被害回復が必ず保証されるものではございません。事案の内容、相手方の特定可能性、暗号資産の追跡可能性、送金経路の構造等、複数の要素によって、取り得る対応に幅が生じる点については、あらかじめお伝えしておきたいところです。
暗号資産(仮想通貨)の送金が関連する事案におきましては、銀行口座宛ての振込被害を対象とする「振り込め詐欺救済法」(預金口座等に係る不正な利用の防止等に関する法律・e-Gov法令検索)の直接の適用対象となる経路とは異なる構造を持つため、対応にあたっては、暗号資産特有の事情を踏まえた整理が必要となる場面が生じます。資金決済に関する法律(資金決済法・e-Gov法令検索)にもとづき金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者が国内には複数存在する一方で、本件のように、登録業者の枠組みを経由して外部のウォレットアドレスへ送付された後の対応については、登録業者の関与範囲を超えた整理が必要となる場面も含まれます。
本記事は、「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトに関して当事務所にお寄せいただいたご相談を踏まえ、関係機関である金融庁へ情報提供を行った事実をお伝えするものです。
事案の進行状況によっては、新たな名目による追加の連絡が継続する、あるいは、新たな取引用サイトの利用や別の暗号資産による追加送金が促されるといった経過に発展する場合もございますので、気がかりな点がある段階で、お早めにご状況をご相談いただくことをおすすめしております。
同様のSNS経路や勧誘を受けられた方、または現在進行形でご不安を感じておられる方におかれましては、被害の継続や拡大を防ぐ観点からも、ご状況を一度整理されることをおすすめいたします。気になる点がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
⇒COMTEX(コムテックス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
当事務所では、SNSを入口として、海外の実在するデジタル資産関連企業の名称を用いた偽の取引用サイトへ誘導され、コインチェック等の国内の暗号資産交換業者を経由してETH(イーサリアム)等の暗号資産を送金させる構造を持つ事案について、過去にも金融庁への情報提供を行っております。とりわけ、なりすまし対象となる実在企業の名称が取引用サイトのブランディングに用いられている事例や、なりすまし対象企業側から公式の注意喚起が発出されている事例につきまして、本件と構造上の共通点が見られますので、以下の記事もあわせてご参照ください。
「BitGo(B39投資戦略ラボ)」を騙る仮想通貨投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしました
「AFSコーポレーション(エーエフエスコーポレーション)」を騙る株式投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしました
よくあるご質問(FAQ)
「COMTEX(コムテックス)」を名乗る取引用サイトに関連するご相談を踏まえ、本件と類似する経過にお心当たりのある方からお寄せいただきやすい疑問について、ご状況のご整理にお役立ていただける範囲で、当事務所の現時点での認識を整理いたします。
Facebookのメッセンジャー上で、面識のない人物から突然連絡が届き、日常会話の後に投資の話題を持ちかけられました。広告経由ではないため、SNS型投資詐欺の典型例とは異なるように思えるのですが、警戒する必要はあるのでしょうか?
SNS型投資詐欺の事案として近時報告されている類型には、SNS上の投資関連の広告を入口として、不特定多数の関心層をグループLINE等へ誘導する経路を取るもののほか、ご相談者様の経過のように、メッセンジャー機能を通じた個別の連絡を起点とし、面識のない相手方との一対一のやり取りの中で関係性の構築を経て投資勧誘へと展開する経路を取るものも存在します。
後者の構成は、初期段階で投資の話題が前面に出されることはなく、相手方との間に親しみや信頼感に近い関係性が形作られていく中で、徐々に投資勧誘の話題が持ち込まれる経過を辿るため、ご自身の側で「広告から始まった話ではない」「面識のない人物との会話ではあったが、ある程度のやり取りを重ねた相手である」という認識が形成されていることが多く、結果として、警戒の度合いが相対的に低くなりやすい性質を持ちます。
警察庁および国民生活センターからも、SNS上の個別メッセージを起点とする投資勧誘事案について、注意喚起が継続的に発出されており、入口がSNS広告であるか個別メッセージであるかの違いにかかわらず、SNS上の連絡を起点として面識のない相手方から投資勧誘を受けた場合には、ご状況のご整理にあたって慎重なご検討をいただくことが、状況把握の助けとなる場面が生じうるものと考えております。
やり取りを続けていた相手方は「投資のみで生活している」と自己紹介しており、SNS上のプロフィールも整っていました。こうした情報をもとに、相手方が信頼できる人物であるかどうかを判断することはできるのでしょうか?
SNS上のプロフィール情報や、メッセージのやり取りを通じて相手方から提供される自己紹介の内容は、相手方ご自身による申告にもとづくものであり、ご相談者様の側で、当該情報の真否を客観的に確認することができる手段は、原則として限定的なものとなります。
「投資のみで生活している」という説明は、相手方を「投資について語る正当性を有する人物」として位置付ける役割を果たすとともに、その後に展開される投資勧誘について、知識や経験に裏付けられたものであるかのような印象を、聞き手の側で形成しやすくする側面があります。もっとも、相手方の経歴・職歴・収入源等について、本人の口頭での説明以外に、独立した第三者による確認材料を入手することは、SNSを介したやり取りの範囲内では難しい場面が一般的です。
金融商品取引法では、不特定多数の者を相手方として投資の勧誘等を業として行う場合、原則として金融商品取引業の登録を受ける必要があるとされています(金融商品取引法・e-Gov法令検索)。
SNS上で実名や肩書きを伴って投資情報の発信が行われていたとしても、当該発信者および運営者が、必要な登録を受けた事業者・関係者であるかどうかは、別途、金融庁公表の金融商品取引業者登録一覧等を通じて確認することが可能な事柄です。
SNS上のプロフィール情報のみに依拠して相手方の信頼性を判断することについては、利用可能な確認手段が限られているという構造を踏まえたご検討が、状況のご整理にあたっての一助となるものと考えております。
国内の暗号資産交換業者であるコインチェックを利用してETH(イーサリアム)への交換および送金を行ったのですが、コインチェック自体は正規の登録業者です。それにもかかわらず、被害につながったのはなぜでしょうか?
本件のご相談者様におかれましては、国内の暗号資産交換業者であるコインチェックの画面上で、銀行口座から日本円を入金し、当該円資産をETH(イーサリアム)に交換のうえ、相手方から案内された宛先へ送金する、という操作を、ご自身の手で行われています。コインチェック自体は、資金決済に関する法律(資金決済法・e-Gov法令検索)にもとづき金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者であり、同社の画面上での円・暗号資産の交換および送付の操作それ自体は、ご相談者様による任意の取引として処理されています。
もっとも、ご相談者様が送金された宛先となるブロックチェーン上のアドレスは、コインチェックの内部で管理されているアカウントではなく、外部のウォレットアドレスです。暗号資産が外部のアドレスへいったん送付された段階で、当該資産は宛先のアドレスを管理する者の支配下に置かれることになり、送金元の利用者の側から、ブロックチェーン上で完了した送金を事後的に取り消す手続きは、原則として存在しません。
そのため、本件のように、国内の登録業者を経由して暗号資産を外部アドレスへ送金する流れにおいては、操作の各段階自体は、登録業者の枠組みの中で正規の手続きとして処理される一方で、最終的な送金先における資産の取扱いについては、登録業者の関与の範囲外で進行することとなります。コインチェック自体が正規の登録業者であることと、当該登録業者の画面を経由して送金された資産の最終的な行き先における事象とは、別個に整理してご検討いただく事柄となります。
暗号資産(仮想通貨)が関連する送金の取消し・回復については、相手方のアドレスを管理する者の特定や、当該資産の追跡といった、暗号資産特有の調査が必要となる場面が多く、ご状況によって取り得る対応の幅が異なります。気がかりな点がある段階で、お早めにご状況を整理されることが、選択肢を検討するうえでの一助となるものと考えております。
株式会社コムテックスから公式の注意喚起が出ていることを後から知りましたが、自分のケースもこの注意喚起の対象に該当するのでしょうか?
株式会社コムテックスから2025年6月23日付で公開されているお知らせ「当社に類似した不審なSNSアカウント等にご注意ください」では、同社の英字表記「COMTEX」に類似するアカウント名で、SNSやメッセージアプリ(LINE等)を通じて暗号資産(仮想通貨)取引の勧誘を行う事例が確認されているとの認識が示されています。あわせて、同社自身が暗号資産の取り扱いを行っていない旨も、明示的に表明されています。
本件のご相談者様の経過は、Facebookのメッセンジャー上での個別接触を起点とし、その後、連絡手段がLINEへと移行され、取引用サイト「COMTEX(コムテックス)」のダウンロード・登録および暗号資産(ETH/イーサリアム)の送金が案内される、という流れでした。
この経過は、株式会社コムテックスのお知らせにおいて言及されている「SNSやメッセージアプリ(LINE等)を通じた暗号資産取引の勧誘」という構成と、入口(SNS/メッセージアプリ)および送金対象(暗号資産)の双方の点において、構造的に共通する側面を持っています。
もっとも、株式会社コムテックスのお知らせは、同社の名称が用いられた勧誘事例の存在を消費者に対して告知することを目的としたものであり、個別の事案について、株式会社コムテックスが直接的に判断や対応を行うことを予定したものではない点には、ご留意いただく必要があります。
ご自身のケースについてのご検討にあたっては、まず、相手方とのやり取りに用いられていた具体的なSNS・メッセージアプリの種類、相手方から案内された取引用サイトの正確なURL、送金経路(コインチェック等の登録業者の利用の有無、送金された暗号資産の種類等)といった事実関係を、お手元の記録から客観的に整理されたうえで、上記の公式注意喚起の内容と照らし合わせていただくことが、状況把握の助けとなる場面が生じうるものと考えております。
気がかりな点がある段階で、お早めに第三者にご状況をご共有いただくことも、選択肢の整理にあたって有用な手段の一つとなり得ます。
⇒COMTEX(コムテックス)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
※本記事の記載内容は2026年5月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

