
弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。

弁護士 有田勝浩
ART法律事務所 代表弁護士
所属 :第一東京弁護士会
登録番号:第36433号
ART法律事務所では、SNS型投資詐欺の被害に遭われた被害者救済と、依頼者様一人ひとりの笑顔を取り戻すことを使命とし、詐欺被害撲滅に励んでおります。
米系の世界的なプライベート・エクイティ・ファンド「The Carlyle Group」の名称を用いた投資用サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」へ、Instagramの投資広告経由で参加したグループLINE「GITサークルA127」内において登録を案内されたというご相談が、当事務所に寄せられました。
当事務所では、本件に関して、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供を行いました。
サイト上では取引のたびに利益が積み上がっていくかのような表示がなされていたものの、IPO株への当選を理由に、サイト内残高では不足するとされた金額の追加振込を求められ、出金申請の段階に至り「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との説明がなされたとのことです。これに不審を抱いたご相談者様の調査により、本件が詐欺であると認識されるに至った経緯となります。
CARLYLE(GITサークルA127)の情報提供概要
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ご相談者様からのお聞き取り内容にもとづき、金融庁窓口の各入力項目に対応する形で、以下のとおり情報を提出いたしました。

| サイト名 | CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS/なりすまし) |
| グループLINE名 | GITサークルA127 |
| SNSの種類 | Instagram(広告) |
| 偽広告等を特定するための情報 | Instagram上に掲載された投資関連の広告に関心を持ってタップした結果、グループLINEへ誘導されたとのことです。 |
| 偽広告等の概要 | Instagram広告から「GITサークルA127」と名付けられたグループLINEへ誘導され、グループ内で投資用サイトへの登録および取引が案内される構成となっていました。 |
| なりすまされている著名人等の名前 | The Carlyle Group |
| なりすまされている著名人等による注意喚起情報 | https://www.carlyle.com/ja/notices-and-disclaimers |
| クローズドチャット(LINEのグループなど)への誘導の有無 | あり(グループLINE「GITサークルA127」) |
| 上記が「あり」の場合、クローズドチャットのリンク先が特定できる情報 | URL等は確認されておりません。グループLINE名は「GITサークルA127」です。 |
| 広告等から特定のウェブサイトへ遷移されることの有無 | あり |
| 上記が「あり」の場合、遷移されるウェブサイトのリンク先が特定できる情報 | https://www.vnjbp.one/ |
⇒CARLYLE(GITサークルA127)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
実際に寄せられた相談内容

ご相談者様へのヒアリングで把握した内容にもとづき、Instagram広告との接触から本件を詐欺として認識されるに至るまでの過程を、発生順にまとめます。
- Instagram上に掲載された投資関連の広告を目にし、関心を持って広告をタップする
- 広告の遷移先からグループLINE「GITサークルA127」への参加を案内され、参加する
- グループ内で「先生」や「アシスタント」と称する人物から、株式投資に関する情報が日常的に発信される
- グループ内の指示に従い、投資用サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」への登録を行う
- サイト上で取引を開始し、取引のたびに利益が発生しているかのような表示を確認する
- IPO株の抽選への参加を案内され、参加した結果「当選した」との連絡を受ける
- 取引にあたりサイト内残高では不足するとの説明を受け、不足分を指定された口座へ振り込む
- 一定の利益が生じているものと認識して出金申請を行ったところ、「プロジェクトが終了しなければ出金できない」等の条件が示される
- 請求の内容に不審を抱いて独自に調査を行ったところ、同様の手口による投資詐欺の事例が多数存在することを把握し、本件が詐欺であると認識するに至る
本件の起点は、Instagram上に表示された投資関連の広告でした。ご相談者様によれば、広告にはプライベート・エクイティ・ファンドである「The Carlyle Group」を想起させる名称や視覚要素が用いられており、関心を持ってタップした先で、グループLINE「GITサークルA127」への参加が案内される流れになっていたとのことです。
カーライル・グループは、1987年に米国ワシントンD.C.で設立され、世界各地に拠点を構える機関投資家向けの大手投資ファンドとして広く知られています(参考:The Carlyle Group 公式サイト(日本語))。
本来、こうしたプライベート・エクイティ・ファンドが、SNS広告を通じて一般の個人投資家に対し直接的な投資勧誘を行うものではないという点は、本件の構造を読み解くうえでの前提として押さえておくべき事項といえます。
誘導先となったグループLINE「GITサークルA127」内には、投資の指導役とされる「先生」と、その補助を担うとされる「アシスタント」と称する人物が参加していました。複数の役割が分担される形で日常的に情報発信が継続される構成は、グループ全体に組織的な体制が整っているかのような印象を参加者に与える側面があります。
サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」上では、取引のたびに利益が積み上がっていく表示がなされ、ご相談者様は資産が増加しているものと受け止められたとのことです。
その後、IPO株の抽選への参加を勧められ、当選したとの連絡を受けたものの、サイト内の残高では取引額に不足が生じるとして、不足分を指定された口座へ振り込むよう求められました。
振込を行った後、ご相談者様が出金申請に進まれたところ、「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との条件が新たに提示されました。
それまでの説明では言及されていなかったこの条件提示に違和感を抱かれたご相談者様は、ご自身で情報を調査されました。その結果、同様の構造を持つ投資詐欺の相談・報道事例が多数存在することを確認され、本件が詐欺であると認識するに至り、当事務所へのご相談につながりました。
CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)にみられる手口の特徴
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本件についてご相談内容を踏まえると、以下のような特徴が確認されます。
- Instagram広告において、米系大手プライベート・エクイティ・ファンド「The Carlyle Group」を想起させる名称や視覚要素が用いられている
- 偽サイト名として「CARLYLE」、副題として「TCG CAPITAL MARKETS」(The Carlyle Groupの略称TCGを連想させる表記)が併用されている
- 「GITサークルA127」という、英字とアルファベット・数字を組み合わせた独自の名称をもつグループLINEへの誘導
- 「先生」および「アシスタント」と称する人物による、役割分担された複数人での投資情報の継続的な配信
- サイト上での取引のたびに利益が積み上がっていくかのような表示
- IPO株への当選を理由とした、サイト内残高の不足分について指定口座への追加振込の要求
- 出金申請の段階で初めて提示される、「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との条件
本件で特に注目される点は、なりすましの対象とされているのが、個人の著名人ではなく「The Carlyle Group」という実在する米系の大手プライベート・エクイティ・ファンド、すなわち法人である点です。
カーライル・グループは、機関投資家・年金基金・政府系ファンド等を主要な出資者とし、企業買収(バイアウト)や成長企業への投資を主たる事業とする世界最大級の投資会社のひとつとして広く知られています(参考:カーライルについて | The Carlyle Group)。
日本においても、子会社である Carlyle Japan Equity Management LLC が金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第3082号)として登録されており、その業務範囲はあくまで機関投資家向けのプライベート・エクイティ投資が中心となっています(参考:法規制に基づく開示 | Carlyle Japan Equity Management LLC)。
このような業態の投資ファンドが、SNS広告を通じて一般の個人投資家に対し直接的に投資口座開設を案内するという構造は、正規の事業活動として一般に想定されているものではありません。
本件の偽サイトでは、世界的に知名度のある投資ファンドの名称・略称・配色・ロゴ風の意匠といった視覚要素を組み合わせ、トップページに「証券口座開設」「証券口座ログイン」といった金融サービスを思わせるボタンを配置する構成が確認されています。
また、グループLINE内における「先生」と「アシスタント」の組み合わせは、SNS型投資詐欺の事例として警察庁・金融庁・国民生活センター等の各機関の注意喚起でもしばしば紹介される類型の特徴と重なります。投資判断を提示する役と、参加者への質問対応や入金手続きの案内を担う役が分担されることで、グループ全体としての体制が整っているかのように見えやすくなる側面があります。
サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」上で表示される利益の数値については、それが実際の市場取引に基づいて発生したものであるかを、外部から検証することは困難な状況にあります。
サイトやアプリの画面上で利益が出ているかのような表示を行い、利用者に追加入金を促す手口については、警察庁・金融庁・国民生活センターのいずれにおいても繰り返し指摘されており、画面上の数値そのものをもって運用成績が確認されたものと解することはできない点に留意が必要です。
そして、本件で出金の条件として提示された「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との説明は、サイトへの登録段階や入金段階では明示されていなかった条件が、出金申請の場面で新たに登場するという構造になっています。
同種の構造は、SNS型投資詐欺の相談事例として継続的に報告されており、出金時にそれまで説明のなかった条件や追加の費用負担が突如として提示された場合には、第三者への確認を行う段階に入っていると受け止めることが望まれます。
独自調査の結果

本件について、当事務所において以下の観点から調査を行いました。
偽サイト「CARLYLE」のドメイン(vnjbp.one)に関するWhois情報
偽サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」のアクセス先として確認されているドメイン「vnjbp.one」について、公開されているWhois情報の調査を行いました。
| 調査対象ドメイン | vnjbp.one |
|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年2月25日 |
| 有効期限(Expiration Date) | 2027年2月25日 |
| 最終更新日(Updated Date) | 2026年4月26日 |
| 運用期間 | 約67日(約2か月/2026年5月3日時点) |
| レジストラ | Gname.com Pte. Ltd.(IANA ID: 1923) |
| 登録者情報 | Whois情報上、登録者の氏名・組織名・住所等の大部分が「REDACTED FOR PRIVACY」と表示されており、State/Province欄に「Taiwan」、Country欄に「TW」の記載が確認されるのみです |
| ネームサーバー | kim.ns.cloudflare.com / bruce.ns.cloudflare.com |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited |
上記の調査結果からは、以下の点が確認されます。
- ドメインの登録日が新しい:2026年2月25日に取得されたドメインであり、2026年5月3日時点での運用期間は約67日(約2か月)です。一般に金融取引を伴うサービスの運用先ドメインとしては、運用期間が短い段階にあります。
- 登録者情報の大部分が非公開:登録者の氏名・組織名・住所・電話番号等は「REDACTED FOR PRIVACY」とされ、Whois情報からドメインの実際の運営主体に関する情報を確認することができない状態です。
これらの要素は、それぞれ単独では直ちに問題があるとはいえないものの、投資資金の入金を伴う金融サービスの運用先ドメインとしては、利用前に運営主体の実態を慎重に確認することが求められる状態にあります。
正規サイト「The Carlyle Group」と偽サイト「CARLYLE」のドメインの比較
本件のなりすまし対象とされている The Carlyle Group の正規サイトについて、当事務所において確認を行いました。正規サイトと偽サイトとの間には、以下のような相違が確認されます。
| 項目 | 正規サイト(The Carlyle Group) | 偽サイト「CARLYLE」 |
|---|---|---|
| ドメイン | carlyle.com | vnjbp.one |
| サイト名表記 | The Carlyle Group | CARLYLE / TCG CAPITAL MARKETS |
| 運営主体 | 米国ワシントンD.C.に本拠を置く Carlyle Group Inc.(NASDAQ上場)。日本拠点として Carlyle Japan Equity Management LLC(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3082号)が登記されています | Whois情報上、運営主体に関する情報の大部分は非公開 |
| サービスの性質 | 機関投資家・年金基金・政府系ファンド等を主要な出資者とする、企業買収(バイアウト)等を中心としたプライベート・エクイティ投資 | 「証券口座開設」「証券口座ログイン」等、一般個人を対象とした証券取引を思わせる構成 |
| ドメイン運用期間 | 長期にわたり運用されている(公式サイトとして広く周知されている) | 約67日(約2か月/2026年5月3日時点) |
正規の Carlyle Group は、世界各地のオフィスを通じて機関投資家向けのプライベート・エクイティ・ファンドを運用する事業者であり、日本においても金融商品取引業者として登録された子会社が業務を行っています(参考:法規制に基づく開示 | The Carlyle Group)。
なお、同ページにおいて Carlyle Group は、自社の日本語ホームページが「カーライル・グループに関する一般的な情報を提供するもの」であり、特定の商品や有価証券の日本における投資勧誘・販売等を構成するものではない旨を明記しています。
これに対し、偽サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」は、ドメイン名・運営主体の表示・サイトの利用構造のいずれの観点からも、正規の Carlyle Group とは異なるサービスであることが確認できます。
The Carlyle Group 公式サイトによる注意喚起
The Carlyle Group は、自社の名称・ブランドが第三者によって不正に用いられる事例について、公式サイト上の「Notices and Disclaimers」ページにおいて、明示的に注意喚起を行っています。
同ページにおいて Carlyle Group は、自社の名前・ブランド・評判が、権限のない人物によって、偽のニュース記事やウェブサイトの公開、違法なマーケティング・資金調達・投資キャンペーンの実施、個人や企業を欺き損害を与える行為、金銭や機密情報の取得を目的とする詐欺的な計画への利用といった目的で、定期的に悪用される可能性があることを公表しています。
あわせて、こうした権限のない人物の行為は Carlyle 自身とは一切関係がなく、これらの不正行為によって生じた結果について Carlyle は責任を負わない旨も明記されています。
さらに同ページには、Carlyle の名をかたる者から勧誘行為等を受けたり不審な通知や連絡があった場合には、安易に個人情報等を伝えたり金銭を振り込んだりしないよう求めるとともに、被害が疑われる場合には最寄りの警察署や、金融庁金融サービス利用者相談室(0570-016811、IP電話からは03-5251-6811)、国民生活センター(188)等への相談を検討するよう促す記載も含まれています。
本件のご相談者様が登録に至った偽サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」についても、Carlyle Group 自身が公式に注意喚起を行っているこの構造に該当しうる事案として位置付けられます。
著名企業をかたる投資広告に関する報道事例
本件のように、著名な企業や著名人の名称を用いた投資広告が、SNSを起点とする投資詐欺の入口として用いられる事例については、複数の媒体で報道が行われています。
たとえば、関西テレビは2024年4月、AIを使用したフェイク動画・音声によって実業家・堀江貴文氏をかたる投資勧誘が行われ、神戸市の女性が約5,265万円の被害に遭った事案について報じています(参考:AIを使ったフェイク動画・音声で 堀江貴文氏かたる投資勧誘 SNS投資被害で5260万円被害(関西テレビ))。
著名企業や著名人の知名度・信用力を不正に利用する手口は、本件のように法人をなりすまし対象とする事例においても、構造的には共通しています。
また、日経クロステックでは2024年4月、SNS型投資詐欺と思われる広告にアクセスした際の挙動について検証記事が公開されており、有名人の名前や写真を使った広告から LINE アカウントへ誘導され、その後グループチャットへの追加・「アシスタント」を名乗るアカウントの紹介・投資情報の継続的な配信といった一連の流れが具体的に報告されています(参考:有名人になりすまして投資広告を掲載、SNSで接触してみた結果(日経クロステック))。
本件における Instagram 広告 → グループLINE「GITサークルA127」→ 「先生」「アシスタント」による情報配信 → 投資サイト登録、という流れは、こうした取材報告で確認されている構造と多くの共通点を持っています。
警察庁によるSNS型投資詐欺への注意喚起
警察庁は、特殊詐欺対策ページ「SOS47」内のSNS型投資詐欺解説ページにおいて、本件と同種の構造を持つ手口について継続的な注意喚起を行っています。
同ページでは、インターネット上で著名人が投資を勧める広告を発見しクリックした結果、SNSのアカウント交換に誘導され、続いて「アシスタント」を名乗る人物のアカウントを紹介され、複数人による投資勧誘を受けた結果、最終的に「投資金」や「手数料」等の名目で金銭の振込を求められる流れが、典型的な被害事例として示されています。
あわせて、勧誘を受けた業者が実在する適法な業者かを確認するため、金融商品取引業者等としての登録の有無を金融庁のウェブサイトで確認することの重要性についても、明記されています。
金融庁による注意喚起
金融庁は、SNS上の投資勧誘について複数の注意喚起を継続的に行っており、本件のように著名な企業や著名人の名称を用いた勧誘・グループLINEへの誘導・出金時に追加の支払いを求められる手口について、具体的な事例を示しています。
金融庁の注意喚起では、SNS上の偽広告やURLをクリックした結果、LINEのグループへの参加や詐欺サイトへのアクセスに誘導される事例が紹介されており、グループ参加後にしばらくは利益が出たように装われ、その後高額な入金を行うと連絡が取れなくなったり、出金時に手数料や税金等の名目で口座への入金を要求されたりする運用が確認されている旨が記載されています。
参考:金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」
あわせて、投資取引を行うサービスの運営主体については、金融商品取引業者として登録されているかどうかを金融庁の登録業者一覧(免許・許可・登録等を受けている業者一覧)においてご確認いただくことが望まれます。
本件のなりすまし対象である The Carlyle Group の日本子会社 Carlyle Japan Equity Management LLC は、関東財務局長(金商)第3082号として同一覧に登録されていますが、これは正規の Carlyle Group の事業範囲に関する事実であり、本件の偽サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」が同社の運営によるものであることを示すものではありません。
国民生活センターによる相談事例の公開
国民生活センターは、SNSを入口とする投資勧誘トラブルについて、消費者トラブル解説集等で具体的な相談事例を公開しています。
同センターのページでは、投資サイトに入金を行ったあとに出金しようとすると、税金や手数料等の名目で追加の送金を要求され、請求どおりに支払っても結局出金できなかったケースが報告されている旨が示されています。
あわせて、サイト上で利益が出ているように見える表示があったとしても、それが実際の運用結果を反映しているとは限らず「見せかけのデータにすぎない可能性がある」とも明記されています。
参考:国民生活センター「マッチングアプリで知り合った人から勧められた暗号資産の投資サイトに手数料を支払ったが、出金できない」
本件においても、サイト上の利益表示を受けて出金申請に進まれたところ、それまで説明のなかった「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との条件が新たに提示された点は、上記の相談事例と類似する構造と整理することができます。
当事務所における同種事例の取扱状況
SNS広告を入口とし、グループLINE内で「先生」役と「アシスタント」役による役割分担のもとで投資勧誘が行われ、その後に追加の支払いを求められるという構造は、本件に固有のものではなく、当事務所が継続的にご相談を承っている類型のひとつです。
これまでにも、入口となる媒体や追加入金の名目こそ異なるものの、閉鎖的なグループLINEへの誘導・グループ内での役割分担・サイト上の利益表示・出金時の追加条件提示といった一連の流れを共通項として持つ事例について、金融庁への情報提供を行ってまいりました。
たとえば、「MLEN(AI機会創出戦略プラン)」に関する株式投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしましたでは Instagram 広告を入口としたグループLINE誘導の事例を、「C.BIOC」に関する投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしましたでは LINE 広告を入口とし出金時に税金の支払いを求められた事例を、それぞれ取り上げています。
本件 CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)は、これらの事例と比較した場合、なりすましの対象が個人著名人ではなく実在する米系大手プライベート・エクイティ・ファンドという法人である点、出金時に提示される条件が「プロジェクト終了まで出金できない」という時間的制約の形式で提示されている点に、本件固有の特徴が現れています。
当事務所の対応およびご相談のご案内

当事務所では、SNS上の広告を入口とした投資関連のご相談をお受けしており、CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS/GITサークルA127)に関しても同様にご相談を承っております。以下のような状況にお心当たりのある方は、ご遠慮なくお声かけください。
- Instagram上に表示された投資関連の広告をタップし、グループLINEへ誘導された
- グループLINE「GITサークルA127」に参加し、「先生」や「アシスタント」と称する人物から投資のアドバイスを受けた
- グループ内の案内に従い、投資用サイト「CARLYLE」または「TCG CAPITAL MARKETS」(https://www.vnjbp.one/)へ登録し、送金を行ってしまった
- IPO株への当選を理由に、サイト内残高では不足する分の指定口座への振込を求められた、または既に振り込んでしまった
- サイト上では利益が増えているように表示されているが、出金申請の段階で「プロジェクトが終了しなければ出金できない」等の条件を提示されている
- The Carlyle Group の名称を用いた他のサイト・グループから投資勧誘を受けている、もしくは類似の手口で投資を行ってしまい、今後の対応について相談したい
ご自身だけで状況を抱え込まれるよりも、現時点までの経緯を弁護士等の第三者にお話しいただくことで、取り得る選択肢や時間的な制約を整理しやすくなる場合がございます。もっとも、被害金の回収が保証されるものではなく、事案の内容や経過、送金先や送金方法等によっては、対応が難しい場面もございます。
SNSを通じた投資詐欺が疑われる事案においては、追加の送金を一旦止めること、関連する記録(LINEのトーク履歴・グループLINE内のやり取り・振込明細・サイト画面のスクリーンショット等)をお手元で保全すること、こうした初動段階での対応が、その後に取り得る選択肢の幅に影響することがございます。気がかりな点が生じている段階で、お早めにご相談いただくことをおすすめしております。
本記事は、CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS/GITサークルA127)に関して当事務所にお寄せいただいたご相談を踏まえ、関係機関である金融庁へ情報提供を行った事実をお知らせするものです。
同様の広告や勧誘を受けた方におかれましては、被害の発生または拡大を防ぐ観点からも、一度ご状況を整理されることをおすすめいたします。気にかかる点がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
⇒CARLYLE(GITサークルA127)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
よくあるご質問(FAQ)
Q:偽サイトのトップに「TCG CAPITAL MARKETS」と表示されていました。これは The Carlyle Group の正規サービスですか?
「TCG」は The Carlyle Group の略称として一般に用いられる表記であり、本件で確認されている偽サイト「CARLYLE」のトップに表示されている「TCG CAPITAL MARKETS」という表記は、Carlyle Group の名称を想起させる構成となっています。
もっとも、Carlyle Group は公式サイトの「Notices and Disclaimers」ページにおいて、自社の名前・ブランド・評判が権限のない第三者により悪用される可能性がある旨を明示的に注意喚起しています。また、本件の偽サイトのアクセス先ドメインは Carlyle Group の正規ドメイン(carlyle.com)とは異なる「vnjbp.one」であり、運営主体に関する情報も Whois 情報上は大部分が非公開となっています。
偽サイトに表示されているロゴ風の意匠や略称表記は、それ自体が運営主体と Carlyle Group との関係を裏付けるものではないため、サービス利用前に正規サイト(carlyle.com)および金融庁の登録業者一覧でのご確認をお勧めいたします。
Q:The Carlyle Group は実在する有名な投資ファンドですよね?グループLINEで紹介された投資先は本物のカーライルではないのですか?
The Carlyle Group は、1987年に米国ワシントンD.C.で設立され、機関投資家・年金基金・政府系ファンド等を主要な出資者として、企業買収(バイアウト)等を中心としたプライベート・エクイティ投資を行う事業者として、実在しています。日本においても、子会社である Carlyle Japan Equity Management LLC が金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第3082号)として登録され、機関投資家向けのファンド運用を行っています。
もっとも、こうした業態のプライベート・エクイティ・ファンドの主要な出資者は、機関投資家や年金基金等であり、SNS広告やグループLINEを通じて一般の個人投資家から直接資金を募る形での勧誘が、正規の事業活動として行われるものではありません。
本件のように、Carlyle Group の名称を用いるサイトであっても、Instagram 広告 → グループLINE → サイトでの個人向け証券口座開設、という一般個人を対象とした構成になっている場合は、Carlyle Group 自身が公式サイトで注意喚起している「権限のない第三者による名称の悪用」の事案に該当しうる構造といえます。
Q:「GITサークルA127」というグループLINEで「先生」「アシスタント」から投資のアドバイスを受けています。正規の投資コミュニティでしょうか?
当事務所には、グループLINE「GITサークルA127」内で投資用サイト「CARLYLE(TCG CAPITAL MARKETS)」の利用を勧められ、IPO株への当選を理由に追加入金を求められ、出金時に新たな条件を提示されたとのご相談が寄せられています。
「先生」役と「アシスタント」役による役割分担は、警察庁の特殊詐欺対策ページ「SOS47」内のSNS型投資詐欺解説ページでも、典型的な被害事例の構造として紹介されている類型と重なります。
なお、投資に関するアドバイスを業として行うには、原則として金融商品取引業の登録(金融商品取引法第29条)を受ける必要があります。グループ内の人物や運営主体がこうした登録を受けているかどうかについては、追加の入金や登録を行う前に、金融庁の登録業者一覧等でご確認いただく方法がございます。
Q:IPO株に当選したと連絡を受け、サイト内残高が不足するとして指定口座に振り込みました。正規のIPO取引でも、こうした追加振込はあるのですか?
正規のIPO(新規公開株式)取引においては、証券会社が抽選方式・配分方式を採用するのが一般的であり、当選した利用者は、当該証券会社内の取引口座に保有している買付資金の範囲で購入することとなります。
取引サービス側から、取引口座への入金とは別に、運営者が指定する個人口座等への直接の振込を求める運用は、正規のIPO取引において一般に想定されている流れではありません。
金融庁の「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」においても、グループ参加後にしばらくは利益が出たように装われ、その後高額な入金を行うと連絡が取れなくなったり、出金時に手数料や税金等の名目で口座への入金を要求されたりする運用が確認されている旨が示されています。
本件における「サイト内残高では不足する」「指定口座への振込が必要」との説明は、こうした注意喚起の中で示されている構造と類似する点が認められます。
Q:出金申請を行ったところ「プロジェクトが終了しなければ出金できない」と言われました。これは正規のサービスでもあり得る制約ですか?
正規の証券取引や投資ファンドのサービスにおいて、商品ごとに換金タイミングや解約条件があらかじめ約款・契約書で定められている場合は存在します。もっとも、こうした条件は、口座開設時や商品の購入時にあらかじめ書面・電子書面・約款等の形で利用者に明示されるのが一般的です。
本件のように、登録段階や入金段階では一切説明がなされておらず、出金申請の場面で初めて「プロジェクトが終了しなければ出金できない」との条件が新たに登場するという運用は、正規の金融取引における運用とは性質を異にしています。
SNS上の投資勧誘事案に関する国民生活センターの相談事例公開においても、投資サイトに入金後、出金しようとすると追加の名目で送金を要求され、結果として出金できなかったケースが報告されています。出金時に新たな条件・名目が提示された段階で、第三者にご相談いただくことが望まれます。
Q:すでに「CARLYLE」サイトに振り込んだお金は取り戻せますか?
振り込まれた資金の取り戻しに関しては、送金先の口座種別(個人口座か法人口座か)、送金方法(銀行振込か暗号資産送付か)、送金からの経過時間、取引の記録の保全状況等により、取り得る対応の幅が変わります。
被害金の回収が保証されるものではございませんが、状況を整理したうえで取り得る選択肢を検討するため、お早めに弁護士等にご相談いただく方法がございます。あわせて、追加の入金は一旦止めること、関連する記録(LINEのトーク履歴・振込明細・サイト画面のスクリーンショット・グループ内のやり取り等)をお手元で保全することが、その後の対応に影響することがございます。
⇒CARLYLE(GITサークルA127)のご相談はこちらから(公式LINEが開きます)
※本記事の記載内容は2026年5月の法令・情報に基づいたものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを提供するものではありません。詳しくは当事務所の免責事項をご確認ください。

